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02月25日-02号

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  1. 京都市議会 1993-02-25
    02月25日-02号


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    平成 5年  2月 定例会(第1回)   平成5年第1回(定例会)京都市会会議録第2号           平成5年2月25日(木曜日)出席議員(70名)  1番  天方晶英君  2番  大道義知君  3番  日置文章君  4番  川中増次郎君  5番  内海貴夫君  6番  橋村芳和君  7番  桑原茂樹君  8番  いさか博文君  9番  中村勝己君  10番  河上洋子君  11番  富きくお君  12番  谷口弘昌君  13番  高嶋弘恵君  14番  小川利治君  15番  大西 均君  16番  巻野 渡君  17番  小林正明君  18番  富田征義君  19番  加藤盛司君  20番  鈴木マサホ君  21番  藤井佐富君  22番  山中 渡君  23番  北山ただお君  24番  加藤広太郎君  25番  宮本 徹君  26番  今枝徳蔵君  27番  小林澄江君  28番  中西賢治君  29番  秋山幸雄君  30番  田中セツ子君  31番  伊藤義浩君  32番  磯辺寿子君  33番  二之湯 智君  34番  中野竜三君  35番  安井 勉君  36番  小林あきろう君  37番  三宅誠孝君  38番  藤本貞子君  39番  高橋きみ君  40番  山本 豊君  41番  山本正志君  43番  可児達志君  44番  永嶋久仁朗君  45番  中西正三君  46番  田中 保君  47番  北川光男君  48番  田中のぼる君  49番  井上与一郎君  50番  高橋泰一朗君  51番  椋田知雄君  52番  中村安良君  53番  北川 明君  54番  奥山茂彦君  55番  梅林 等君  56番  山口幸秀君  57番  南野昭雄君  58番  阿美弘永君  59番  若宮 修君  60番  坂口芳治君  61番  藤原冬樹君  62番  有吉節子君  63番  国枝克一郎君  64番  西脇尚一君  65番  青木善男君  66番  津田幹雄君  67番  江羅寿夫君  69番  福島滋弥君  70番  西田輝雄君  71番  小坂 正君  72番  末本徹夫君  欠席議員(2名)  42番  岩本 弘君  68番  加藤つる君議事日程開議日時 2月25日午前10時第1 請願審査結果について(厚生委員長報告)第2 議第1号乃至議第22号,議第24号乃至議第32号,議第34号乃至議第40号,議第42号,議第43号,議第46号及び議第49号 平成5年度京都市一般会計予算 ほか41件~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 〔午前10時1分開議〕 ○議長(川中増次郎君) これより本日の会議を開きます。 本日の議事日程は,席上に配付いたしておきました。 本日の会議録署名者を指名いたします。富田征義君と中村勝己君とにお願いいたします。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) この場合,議長から御報告申し上げます。 本日までに受理いたしました請願9件は,お手元に配付してあります文書表のとおり,所管の常任委員会に付託いたします。-------------------------------------- △請願文書表「受理番号316」「行政区の変更」・請願文書表「受理番号317」「乾隆小学校への教員の適正配置」・請願文書表「受理番号318」「朱雀第二小学校への教員の適正配置」・請願文書表「受理番号319」「保育施策の充実」 △請願文書表「受理番号320」「児童館の早期建設等」・請願文書表「受理番号321」「ペット業者への指導等」・請願文書表「受理番号322」「洛西ニュータウン内のスーパー進出計画の指導」・請願文書表「受理番号323」「マンション建設の指導」・請願文書表「受理番号324」「地下鉄駅構内の水飲場設置」 ○議長(川中増次郎君) 次に監査委員から,平成4年12月末現在の出納検査の結果報告が参っております。 原文は,市会事務局に保管してありますから,随時御覧願います。-------------------------------------- △出納検査の結果の報告について ○議長(川中増次郎君) 次に人事委員会から,議第23号京都市職員の定年等に関する条例の一部を改正する条例の制定についての意見書が提出されました。 この写しは,お手元に送付いたしておきました。--------------------------------------地方公務員法第5条第2項の規定に基づく意見について ○議長(川中増次郎君) 以上,御報告申し上げます。御了承願います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程に入ります。 日程第1,請願審査結果についてを議題といたします。 委員会報告書は,配付いたしておきました。--------------------------------------厚生委員会報告書議長(川中増次郎君) お諮りいたします。本件は,厚生委員会報告書のとおり,18件を採択することに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本件は,厚生委員会報告書のとおり決しました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 日程第2,議第1号ないし議第22号,議第24号ないし議第32号,議第34号ないし議第40号,議第42号,議第43号,議第46号及び議第49号,平成5年度京都市一般会計予算,ほか41件,以上42件を一括議題といたします。 前回の議事を継続し,これより質疑を行います。発言の通告がありますので,これを許します。西脇尚一君。 〔西脇尚一議員登壇(拍手)〕 ◆(西脇尚一君) 月日のたつのは早いもので,4年前,前今川市長の退任に伴いまして後継者選びをやったのは,つい先日のような気がいたします。たまたま私が自由民主党京都府連の幹事長をやっておりましたときで,自薦,他薦といろいろと名前が出てまいりました。我々自由民主党が候補者を選定するに際し,論議をした内容については種々あったわけでございますが,最終的には,庁内関係者かそれとも部外者から迎えるのか,この一点に絞られたわけでございます。このことは,過去庁内関係者から市長を迎え,御池産業と揶揄される中,庁内には惰性が蔓延し,職員はやる気をなくし,信賞必罰これもなく,数年後には平安建都1200年という大きな節目を迎えるに当たり,21世紀に飛躍できるまちづくりなど実際にできるのか,ここで新風を吹き込んで旧来の陋習を打破して新しい施政方針を打ち出し,確実に実行していける人として,田邊市長さん,あなたに御無理を申し上げ立候補していただいたわけでございます。 票差は別といたしまして,市長に当選され,爾来今日まで我が党は再三にわたり具体的な諸問題について意見具申をしたり,要望を続けてまいったところでございますが,個々の問題は時間もありませんので別といたしまして,市長さん,あなた自身がこうした諸問題について十分対応できてきたとお考えですか,まずお聞かせいただきたいと思います。 本市会は平成5年度の予算審議の市会でございます。来年に平安建都1200年の数々のイベントや事業を控え,更にこれに関連したねんりんピック,全国緑化フェア,プレイベントなど多種多様な関連事業があり,これを立派に成功させ土台を作り,21世紀に取り残されないようなまちづくりの指針を決める分岐点に立っている,大変重要な予算編成であると言っても決して過言でないと思います。このようなことを改めて私の口から申し上げなくても,賢明な市長さんはじめ理事者の皆さん方のことでございますから,十分踏まえての編成であったとは思います。 そこで市長さん,最高責任者として,この8月に市長選挙が行われます。この市会が終われば,我々自由民主党も市長選挙については,候補者の選考をも含めて具体的に検討に入るわけでございますが,我々といたしましては,予算審議をするにしても,あなた自身が続けてやる意思があるのかないのか確かめておかねばならないと思います。今回の予算の総枠だけで見ますと,国家予算の一般会計が前年対比0.2パーセントの伸びという超緊縮型予算であるのに対し,本市は5パーセントの伸びと相当思い切った積極的な予算編成であるわけです。予算だけは編成しておくが,後はどなたか御自由にというのでは,審議をしても全く気の乗らぬ話でございます。ほかにも立候補を表明している人が出ているわけでありますから,ここらで市長選についてのあなたの考え方をまずお聞かせいただきたいと思います。 過ぐる1月4日の年頭の記者会見において,この夏に予定されている市長選挙への出馬に関する質問に対しまして,土俵の上に上がって手を下す時でないと言うべきでないと,あなたは言明を避けられたと聞いておりますが,私は,大体力士というものは土俵に上がるときには,全知全能を傾けて5秒か10秒の勝負をかけて戦うわけでございますが,土俵に上がることは上がるけれども,手を下してみぬことには勝負をするのかせぬのか分からんという,どうも頼りない答弁でございます。これでは私たちもどうもうなづけませんので,このこともひとつ併せてお話を承りたいと思います。通り一遍の,今は何も考えておりません。任期いっぱい一生懸命に努力するだけですではなく,是非腰を据えた十分な予算審議ができますように一定の姿勢をお示しいただくのが今のあなたの議会に対する,そしてまたひいては146万市民に対する責務だと考えておりますが,いかがですか,併せてお答えいただきたいと思います。 さて市長選についての考え方を聞かせてもらわなくては,本当はこの後の質問もやりにくいわけでございますけれども,ただ今上程されております平成5年度一般会計予算並びに関連議案につきまして,自由民主党市会議員団を代表いたしまして質問を続けてまいりたいと思います。 まず本市の財政状況についてでございますが,最近における我が国の景気低迷は複合不況とも言われ,かつて経験したことのない非常に深刻なものであり,早急に景気の回復を軌道に乗せ,国民生活そしてまた市民生活の安定を図るのが必要であろうと思います。国におきましても,昨年8月には過去最大と言われる10兆7000億円に上る財政措置を中心に総合経済対策が決定されたところであり,また平成5年度予算についても,景気に十分配慮し本格的な景気浮上対策に取り組まれているところであります。これに呼応いたしまして,本市におきましても,平成4年度に上半期における公共事業の前倒しや補正予算の編成による公共事業の追加,各種金融対策などに取り組まれてきたところでございます。 こうした中で今回提案された平成5年度一般会計予算案は,法人市民税の大幅な落込みなどにより市税収入が昨年度の当初予算を下回るという戦後初めてという厳しい税収動向の下,国家予算の伸び率の0.2パーセント,地方財政計画ですらもその伸び率の2.8パーセントを上回る5.0パーセントの伸びを確保し,特に景気対策として,公共事業のうち市単独事業については11.5パーセントを計上されておるわけです。財政が大変厳しい中で,景気対策やゴールドプランなど国の各種施策に呼応して,都市基盤の整備や高齢者福祉施策をはじめ,本年度から新たに勧業館の建設に着手するなど,積極的な予算を編成されたことにつきましては一定の評価をするものでございます。しかしながら細部にわたって検討するときに,必ずしも手放しで喜んでおられない問題もたくさんございます。 私たちは予算審議をする場合に,予算全体に占める消費的経費と投資的経費のバランス,更には公債費の予算全体に占める割合や起債制限比率などを論じ,その内容を確かめてまいったところでございます。 今ここに本市をはじめ,各都市のこうした内容を比較した資料がございます。これらを比較検討いたしましたときに,まず言えることは指定都市中,投資的経費の占める割合が最下位であります。逆に義務的経費の占める割合はトップであり,その中でも人件費と扶助費の占める割合が非常に高いということでございます。本年度は,1200年関連事業など少々はいただけるものもあるわけなんですけれども,過去このような予算の再生産とでもいいますか,要するに投資的経費の比率が非常に低かったということが,今日このような沈滞し切った都市にしてしまった一つの大きな原因であると考えますが,この政令都市の表でいきますと,大変申し訳ないんですけれども,今いろいろと問題を起こしております北九州市と全く同じような数値で京都市の財政規模が成立しているわけでございます。これ市長さん,後でじっくりと御覧いただいたらお分かりいただけると思いますので,検討しておいていただきたいと思います。 次に税収が前年度予算を下回る中での予算でありますので,これに代わる財源を求めなければならないのは当然でございますが,市債の発行による税収が725億円計上され,対前年度25.2パーセントの増となっており,これに伴い市債の依存率も平成4年度の9.4パーセントから5年度の11.2パーセントと大きく伸びているわけでございます。市債の発行による財源の調達は,耐用年数の長い公共施設の建設などに際して,便益を受けるであろう先の世代にも負担をお願いしようとするものであり,財源の配分について世代間の公平な負担を実現しようとするものであって,ある程度は仕方がないとは思います。 しかしながら,市債の増発は,後年度の財政負担の増大を招くものであり,財政の硬直化にもつながるのではないかと懸念するところであります。 このような財政状況を見るときに,5年度は乗り切れたといたしましても,平安建都1200年,更には健康都市構想,新京都市基本計画などの推進に多額の財政需要が見込まれる6年度以降の財政運営が非常に厳しくなるのではないかと危惧するところでございますが,今後の財政の見通しについても併せてお聞かせいただきたいと思います。 次に景気の低迷により法人市民税が大きく落ち込み,5年度予算における計上額は対前年度25.2パーセントの減となり,市税全体でも1.3パーセントの減となっております。地方財政は何といっても自主財源の確保であり,その根幹を成すものは市税であります。景気低迷により市税の減収は本市だけの問題ではございませんけれども,市税収入が前年度を下回るということは戦後初めてのことと伺っております。本市の産業構造,そしてまた都市としての成り立ちなどから考えてみまして,直ちに税収を拡大させるということは非常に厳しいと思いますが,市税収入の確保は,本市が目指すまちづくりを進めていくに当たっての基本であることは論をまちません。 また財源確保のため毎年年の暮れになりますと,我々自由民主党市会議員団は大挙して東上し,我が党国会議員を先頭に新年度予算獲得に向けて要望を行っておるところでございますが,大都市税源の拡充といっても,他の都市と違い国家的財産を多く保存管理している京都は特別な事情があると言ってもよいと思います。昭和25年,京都国際文化観光都市建設法が制定された経過からも,本市のあらゆる施策が国際文化観光都市という方向を目指さなければならないということを念頭に置いて,これらを積極的に活用し,都市財源の拡充に取り組まねばならないと考えております。都市税源の充実についてどのようにお考えになっておられるのか,また本市として採るべき税収確保の方途についても市長の考え方をお聞かせいただきたいと思います。 次にまちづくりの問題に関連して少々お伺いいたしたいと思います。この2月に新京都市基本計画原案が発表されました。市長さん,目を通されたことがございますか。私もざっと目を通しましたが,実にすばらしい構想が書かれております。これらのものすべてとは言いませんが,大部分のものが実現し,執行されるならば,本市の将来は夢いっぱいばら色のものになると思います。過去においても,こうした構想なり計画案はいろいろと出されましたが,大抵は書棚の隅にほこりだらけで眠っており実現してはおりません。逆にそれが災いになっているものすらあるわけでございます。これが21世紀に向かって,更に平安建都1300年に向かっての本市行政の基本であるとするならば,余り混乱するアドバルーンばかり揚げることなく,総合的な判断に立って一つ一つ着実に実行していくことこそ肝要ではないかと思うわけでございます。 今日までの縦割り行政の弊害をできる限り少なくするように,例えば企画調整局にもっと豊富な金と力,有能な人材,たくさんおいでになりますけれども,もう少し増やし集中して諸施策を推し進めるべきだと思いますが,企画調整局の機能強化のための市長のお考えも併せてお聞かせいただいておきたいと思います。 まちづくりの2番目といたしまして,平安建都1200年事業について少々お伺いいたしたいと思います。初めてこの話が浮上してきたときに,僕はよほどしっかりした執行体制,そしてまた予算措置を講じておかなければ,最後は提灯行列でもして仕舞いということになりかねないと冗談半分に言ったことがございます。当然のことながら,これを一過性のものとせず,まさに平安建都1100年のときに,我々の先人たちが残してくれた疏水の構築,平安神宮の造営,更には時代祭の創設,日本で初めての発電所とか路面電車,内国博覧会など,そしてそのことが100年たった今日,我々子孫がどれだけの恩恵を受けているかということでございます。この話は随所で出ますので,改めて繰り返しはいたしませんけれども,これらの事業は,当時の我が国におけるその予算規模の大きさ,発想の先見性,技術の先進性など,どれ一つ取ってみても革命的とも言えるものばかりでございます。 東京遷都後,衰退の一途をたどるこの京都において,これだけのエネルギーがどうして結集されたのか,そして今の京都市民には,悪いけどこれだけのエネルギーの持ち合わせがないのか,市民の皆さんが悪いのか為政者が悪いのか,我々はこれらのことを考え合わせて,今から100年たった平安建都1300年の時に,我々の子孫がなるほど先人たちはすばらしい遺産を残してくれたと感謝され尊敬されるような,奇想天外とまでは言いませんけれども,思い切った施策を進めるべきであると言い続けてまいったのでございます。 ここ数年来の予算内容を見ますときに,確かに事業の項目としてはいろいろと挙げられておりますけれども,本来行政基盤,そしてまた都市基盤整備の大変後れている本市にとっては,一般行政で行っていくべき施策の頭に冠を付けただけと言えるものが大部分であるわけです。これらは今のあなたの責任とは申しません。過去の経緯もあるわけなんですけれども,しかし国際情勢の変化,国内各都市の発展状況などを考え合わすときに,100年たった平安建都1300年において,今我々が1100年を語るように,何物をも残せないではないかと思うわけでございます。確かに時代が違うということもあろうとは思いますが,私はその気になってやれば必ずできると確信しているものでございます。本年度予算ではどうにもならないと思いますが,市長さん,おやりになるのか分かりませんけれども,3年掛かっても5年掛かってもいいではございませんか,なるほどと言われるような足跡をしっかりと残していただきたいと思いますが,何かお考えがあったらひとつお聞かせいただきたいと思います。 これに関連いたしましてもう一言,これらの計画を進めるために,市,府,商工会議所の3者が中心となって昭和60年7月に財団法人平安建都1200年協会を作り,ここでいろいろと計画を進めていただいているわけでございます。本市が初めてこの平安建都1200年事業を打ち上げた当時から比べますと,感覚的には広まっているような気がするわけでございますけれども,どうも実質的には薄まって,我々の守備範囲の問題や一般行政とのかかわり合いなどがあり,なかなか計画どおりに進んでいないような気がしてなりません。この辺りの再検討などしっかりとやっておかれるように,これは指摘にとどめて,要望にとどめておきたいと思います。 そこで計画どおりにできるのかどうか,岐路に立っております平安建都1200年事業の大型プロジェクトの一つと言われております地下鉄東西線の建設について少々お伺いしておきたいと思います。この計画が初めて具体化されたときに,都市基盤の整備が後れ,特に都市交通網の整備が後れている本市にとっては,一日も早く完成することを願いつつも,私の目の黒いうちに完成するのかと正直言って疑問を持ったものでございます。地下鉄東西線は,南北線とは異なり山科駅前再開発事業をはじめとした五つの大型プロジェクト事業との調整,また京津線を運行しながらの施工や京阪との連絡工事などなど考え合わせたときに大変な難工事であると思ったからでございます。 しかしながら,平成2年1月に着工されて以来,今日まで順調に進捗し,最大関門と思っていた山科駅前再開発事業との関連の用地買収につきましても,大変な努力をされているとの報告を受け一定の評価をしているところでございます。しかし現在の進捗状況を更につぶさに見聞するときに,いかに理事者の皆さん方が日夜努力を続けられても,物理的に平成6年度末の完成は無理でないかと危惧するものでございます。我が党議員団も,委員会などで再三にわたり平成6年度末の完成は間違いないのかとただしてきたことに対しまして,理事者の方は,工程的に非常に厳しい状況であるが,最大限努力したいとの答弁で今日に及んでいるわけでございます。 この東西線の完成時期は,市民生活やそしてまた経済活動を大きく左右する全市民的な重大関心事であるのは当然でございます。市民の期待,そしてまた関心が大きいだけに万が一大幅に遅れるようなことがあれば,その落胆もまた怒りも大きいものになるのではないかと思うわけでございますが,この本会議の席で,もう一度改めて平成6年度末に完成するのか,例えば仮に遅れるとすればいつごろになるのかひとつ明確にお答えいただきたいと思います。 我が党も今日までいろいろと指摘してまいりましたが,要は一日も早い完成を当然願っているもので,現時点では問題があろうとしたら,どういう点に問題があるのか,この辺の問題も併せてお聞かせいただいたら幸いかと思います。 いずれにいたしましても,今日から100年たった1300年,このときに世界は,そしてまた我がこの日本の国は,更に私たちのふるさとこの京都はどのように変わっていくだろうか,市長さん,あなた想像されたことがございますか。こんな時間の少ないときに,こんな質問をしていてはもったいない気がするんですが,本市が21世紀に向かって攻防をかけた時期だけにしばらく話を続けてみたいと思います。 私は20世紀というのは欧米の時代,そして21世紀というのは東洋の時代になるだろうと推測いたしております。当然その指導的立場にある国の指針も重要ではございますが,その窓口になるのは関西圏であろうと思います。そして今や関西新空港,そして明石海峡大橋など大型プロジェクトが進行し,大阪湾ベイエリアの開発が法律によって総合的,広域的に進められているところでございます。大阪や神戸が飛躍的な発展の時を迎える中で,この京都は活力が低下し,大きく立ち後れていくのではないかと危惧するのは私一人ではないだろうと思います。 ちなみに大阪,神戸の現状をざっと見ますときに,商都と言われた大阪が観光にも力を入れ,花博,大阪城周辺の整備開発,更に最近では各国領事館を1箇所に集めた国際エリアの創生,ディズニーランドにも勝る一大遊園地というか,プレイランドの誘致,ドーム球場の建設などなど次々と新しいまちづくり構想を発表し,実現に向かって努力しているわけでございます。 一方,神戸を見ますときに,ポートアイランドでのポートピア88から続いて,六甲アイランドの建設,最近ではハーバーランドの開設,北に向かっては六甲山の北側に神戸リサーチパーク,フルーツパークの建設を進めるなど,市民は申すに及ばず若年観光客の誘致に向けても積極的に事業を展開しているところでございます。 臨海都市と内陸都市との違いはあるとは思いますけれども,かつては京阪神3都が肩を並べて協調しながら競争し,相乗効果を上げてまいりましたが,現況のまま推移するならば果たして対等に復権していくのか,大いなる疑問を生ずるところでございます。 確かにこの京都は,1200年の歴史と伝統を有し,日本の学術文化の発祥の地としての地位,更には美しい自然景観を守り残していかねばならないことは当然でございます。しかしながら,果たして変わり行く近郊都市像などを考え合わすときに,これからも今日までのように,単に先祖の遺産だけを頼りにして146万市民の台所を十分賄うだけの経済力を持続していけるのか,私はノーと言わざるを得ないと思います。このまま推移するならば,遠からず我が京都は遺跡都市,博物館都市になってしまうだろうと思います。これでもよい,のんびり暮らそうやと大多数の市民の皆さん方が言われるなら,確かにそれも一つの生き方であるかも分かりません。しかし経済力が低下し,税収も伸び悩み,これから増強していかねばならない各種の福祉施策にも支障を来し,更に更に悪循環を繰り返していくだろうと思います。 今回の新基本計画を見ておりますときに,保存と開発の調和のとれたまちづくりと記されておりますが,余りに精密過ぎて分かりにくいのであります。もう少し分かりやすく,具体的に分岐点に立った今後の京都市政がどうあるべきかを,今日はテレビが入っておりますので,私の質問の答えという形で,市長さん,一遍市民の皆様方に分かりやすく御説明していただきたいと思いますのでよろしくお願い申し上げたいと思います。 次に一昨年,あなたが提唱されました健康都市づくり構想に関連して少々お伺いしておきたいと思います。今回の予算案を見ておりますと,これから訪れるであろう長寿社会をも視野に入れた各種の施策が予算化されていることについては一定の評価をするものでございますが,私は,あなたが初めてこの構想を発表されてから今日まで,各種の会合等でお医者さんの出らしく健康を尺度としたまちづくり,これは国が提唱している豊かさの実感できる国づくりと相まって時宜を得た発表だなと褒めてまいりました。少々は褒め過ぎた感もあるんでございますが,これは単に行政が予算を投じて各種の施策を進めるということだけではなく,物心両面にわたる快適な環境づくりが必要でございます。 最近の世情を見るときに,特に理念の共同社会における価値判断がばらばらになっているというのが現状でございます。これでは幾ら行政が予算を投じて施策を拡充しても一方通行でございます。社会共同意識を高揚し,快適に共同生活を営むためには何をすることが重要であるかということを十分認識していただき,市民の皆さんと行政とが一体となってこれらを推し進めてこそ,初めてあなたの提唱されている健康都市は成就するものでございます。 幸いといいますか,この京都には伝統的に各地域で各種のボランティア活動を積極的にやっておられる団体が多数あります。そしてこの人たちは,一方では行政のお手伝いというか,補助的機関や活動までやっていただいているわけでございます。2年前,市社会福祉協議会が調査したボランティア団体数は約500団体,そのうち実際に活動しているのが約300団体と聞いております。またボランティア保険に加入している人口,団体数を調べてみますと,平成5年1月末現在で1700人,団体数260団体となっているそうでございます。これらの人々の崇高な活動の価値判断は金銭でできるものではございませんけれども,今回の予算の内容からは,これらの団体及び人々に対する支援が余りにもなさ過ぎると言わざるを得ないと思います。このことは単に健康都市づくり構想だけではございません。これから本市が進めていくすべての行政施策を理解し,円滑に進めていくためにも十分な支援が必要だと考えておりますが,市長さんの御所見をお伺いしておきたいと思います。 次に大問題のJR京都駅改築についてでございます。平成2年11月市会でしたか,この本会議で,あなたに相当細かく現状を説明しながら質問し,かつ要請したことがございました。覚えていただいていると思います。いよいよ仮駅舎の建築確認が出され,本格的工事に着手することになりました。この話が初めて具体化したときから今日まで,委員会などで様々な場所で事あるごとに説明し,要請を続けてまいったのでございますが,本年度の予算案を見ておりましても一向に音沙汰がございません。付近住民の人たちは,工事に係る諸般の心配,企業者は営業上の将来問題などで大きな悩みと心配を抱えているわけでございます。 時間が余りございませんので,少々早口で今日までの経過などについてもう一度説明しておきたいと思いますが,今回の京都駅の駅舎の新設は,平安建都1200年事業の一環ということで,一応帽子は着せてありますが,実態はJRの一方通行で,本市は補助的にお手伝いをするというだけのものでございます。建てられる以上は,国際文化観光都市の表玄関としてせいぜい立派な,話題にもなるようなものであっていいとは思いますが,本市がお手伝いする場合,ある程度の市民の合意,更には周辺営業者に賛成いただけるような,そういう付帯設備が必要ではなかろうかと思うわけです。 今回の建物は,総床面積が23万4000平方メートル,といっても見当が付きにくいと思うんでございますけれども,現在の四条のあの大丸がバックヤードを含めて約5万平方メートルというのでございますから,それを約4.5倍と想像いただいたら結構かと思います。そしてその内容を簡単に説明いたしますと,駅舎が1万平方メートル,ホテル及びコンベンションホールが7万7000平方メートル,テーマ館が9000平方メートル,駐車場3万2000平方メートル,市民広場が2500平方メートル,そして最大関心事の複合の商業施設が10万3000平方メートル,ざっとこういうような内容のものでございます。当然複合の商業施設の中には伊勢丹百貨店,専門店街,更に食堂街が含まれているわけでございます。そして地下に入ればポルタに連動するという施設でございます。 これだけの巨大な複合の商業施設というのは,国内でも余り例を見ないものでありまして,いわんやこの京都においておやであります。全市的にも期待や不安を含めた大関心事であるのは当然であろうと思います。確かにこれだけの施設が整ったら,相当の顧客を動員することは間違いないと思いますが,問題は,そのバックグラウンドであるわけです。JRの説明では,近郊のまちから集まってこられるというのでございますが,僕はこれだけの巨大施設を営業的に賄うためには,近郊だけではなしに,近隣ないしは市内から相当数の顧客が流入されぬことには成り立っていかないという感じがするわけでございます。 今市内では随所に再開発事業が進み,大型プロジェクトが進行し,また計画されていることは御案内のとおりでございます。これらがすべて完成したときには,京都全体の商業動態が非常に大きく変化いたしてまいります。観光客以外に流動客の非常に少ない本市にとっては,丁度風呂桶のお湯をかき回しているようなもので,回しているうちは高低差がありますが,やめたら元の木阿弥,これは単に商圏が移動するということだけであって,どこかが栄えたらどこかが衰退していくということであり,全体的な活性化にはつながっていかないということでございます。特に近隣商業者にとっては,顧客が逆流していって衰退の一途をたどるという心配もこれあるわけでございます。 そこで少々余談になりますが,経済問題でございますので経済局長もついでに聞いといていただいたら結構かと思いますが,一般論として一つの商圏を形成する場合に,これが成功するためには,確かに核となるキーテナントというのはこれは当然必要であるわけです。しかしこの核となるキーテナントがそのもの自体が完全商品である場合には,すべてここで充足されてしまい,逆に近隣商店が衰微する。ゆえに核テナントというのは,少々言葉は悪いんでございますけれども,欠陥商品でなくてはならないということでございます。その欠陥部分を近隣の商店が補い,そこで人が動き相乗効果によって一つの商圏というものが成り立っていくということが言えると思うわけでございます。 ところが今回のこの建物は23万4000平方メートル,これだけで一つの完全商品を成してしまうわけでございます。駐車場あり,デパートあり,専門店街あり,食堂街あり,文化施設,娯楽施設,部屋で酸素が欠乏すれば屋上へ上がったら全市が眺められ,そして美しい夜景と言いませんけど,夜景が見られて,夜遅くなれば泊まるホテルまで付いているという完全商品でございます。 そこで市長さん,今から100年後,平安建都1300年の時を想定して,これらの案件を満たす最大公約数というのは一体あるのか,もしあるとすれば何なのか。もう一度観点を変えて繰り返しますと,ターミナルとしての機能を十分果たし,近代的なセンスを備え,人が集い,憩い,安らぎ,更にあなたが提唱されている人に優しい,しかも観光名所とまでは言わないまでも,他府県,他都市,近郊から,近隣ではございません近郊から流動客を誘致し,回遊性を高め,滞留時間を長くして一つの商業ゾーンを造り上げるということが,本市全体としてもこれから必要ではないかと思うわけでございます。そしてその最短距離,例えば東北の仙台にございますような駅前広場にアーバンデッキ,空中歩道と言いますが,そういう一つの憩いの空間などを造って,ここに人が集まり安らぐような,そういう施設を造るべきかと思うわけでございます。今日まで関係の各局とは何度か話をしたきてのでございますけれども,何分相手もあることだし,合意を得ていないのが現状でございます。確かに予算も必要ですし,相当の努力が必要だとは思いますが,こういうことこそ後世に残る一大施策として必要ではないかと思います。市長さんの決断と所見をお伺いいたしておきたいと思います。 続きまして梅小路公園についてお伺いいたしたいと思います。先輩,同僚の議員さん,下京区のことばかりで大変申し訳ないんでございますが,全市的な規模で考えねばならぬ問題でございますので,しばらくの間お許しいただきたいと思います。 梅小路の公園についても,過去委員会などで再三意見を述べ論議してきたところでございますけれども,平成5年度は,いよいよ用地買収も完了し,とりあえず来年は全国緑化フェアのメーン会場として使用されるわけでございます。この緑化フェアというのは,基本的には大阪花博のような全国的な宣伝をして入洛客を誘致し,一種のまちづくりの活性化の一助となるような目的でやられるものなのか,そうではなく市民の皆さん方に緑の大切さを訴え,緑豊かなまちづくりをやりましょうと,言うならば一種のPR的な催しなのか,もう少し詳しい説明をしておいていただきたいと思います。 そこでいよいよこの催しが終わりますと,本格的な利用に向けての計画が進められていくわけでございますが,御案内のように都心部にこれだけの広い土地というのは再び得難いものでございます。したがってこの土地の利用計画検討については,少々時間が掛かっても周辺の状況を踏まえしっかりとした長期展望を立てて進めるべきだろうと思います。 そこで第1点,緑化フェアにも2億8000万円の予算が投入されているわけでございますが,それが後の計画との二重投資にならないように十分に考えて計画を進めていただきたいと思うわけでございます。一つの提案として,この地を京都の一大観光名所というか,観光客は言うまでもなく,一般市民の方々もここに集い,憩い,そして遊べる,そんな総合的な遊園地公園とすべきではないかということでございます。 ここで国際文化観光都市を標榜する本市の観光と文化行政について少々話を進めてみたいと思いますが,京都は山紫水明のまちと言われ,多くの歴史的建造物を擁し,一大観光都市として年間4000万人近い観光入洛客を迎え,本市経済の一翼を担っていることは論をまちせん。しかしながら昨今,世相の移り変わりに従って観光に対するニーズも大きく変化を来してまいっております。反面,大阪,神戸の最近のあのまちづくりの構想や実態を見るときに,先ほども申し上げましたように,単に経済基盤の浮上だけではなく,文化,観光をも含めた総合的な復権を目指して着々とその実を上げているところでございます。関西復権をともに叫び,運動を進め,その中で大阪,神戸が次々に新しい観光資源を開発し,かつ創生していく中で,この京都はどう対応していくのかという問題であります。 観光入洛客の最近の数値を見ておりますと,ここ三,四年4000万人弱で横ばい状態でございます。これは最近のごとく週休2日制と車ブームとか旅行ブームなどの諸条件を考え合わせますと,実質的には減少していると言っても過言でないと思います。これをこのまま放置すれば,平安建都1300年,すなわち100年後には,京都はどんなまちに成り下がってしまうかは先に述べたとおりでございます。古い伝統的建造物を守り,美しい自然景観を眺めて,観光客が減り収入が落ち込んでも,余は満足じゃと市民の大多数が思われるなら,これも一つの生き方だろうと思います。しかしそうはまいりません。一面では税収が伸び悩み,本市の財源が不足し,普通でさえも他都市に比べて財政基盤が弱く,都市基盤の整備が後れているのに加えて,高齢化が進み,各種の福祉施策も充実していかねばならない時であるわけなんです。基金を貯金だといって今のうちにさっさと分配せよ,使ってしまえなどと言っている人たちはちょっと横に置いといて,国でも豊かさの実感のできる国づくり,本市においても市長さん専門の健康を尺度とした健康都市づくり構想,何をするにしても財源が必要であります。自らが汗を流さず,ただ手を出していたのでは誰も助けてはくれません。今こそ一大決断すべき時だろうと思います。市長さんね,続けておやりになるのかならないのか分かりませんけれども,うんともすんとも言われないので,どう激励していいのか分かりませんが,優秀な助役さんや大勢の局長さんがおいででございますので,勇気と決断を持って進めていただきたいと思います。 そこで話は元へ戻りまして,梅小路公園の問題でございますが,私は,ここに北欧のデンマークのコペンハーゲンにありますチボリ公園のようなものを建設し,京都の一大観光名所とすべきだということでございます。御案内だろうと思いますが念のために少々説明しておきますと,これはディズニーランドとはまた趣を異にし,面積的にもディズニーランドのような広大な土地は要らず,片や自分の体を動かして楽しむという所であれば,チボリは自分の五感で感じ楽しむ公園で,青少年から大人まで利用できる総合健全娯楽施設とでもいうのが適当かも分かりません。 最近,修学旅行生などの観光の方途も変わってまいりまして,観光バスで回るのではなく,タクシーに分乗して観光しております。一見ぜいたくなように感じますが,道路事情が悪い京都では,時間どおりに進まない観光バスで回っているよりも,経費的にも安く上がり多くの所を効果的に見て回れるのと,自分たちで見たい所へ行けるということで非常に人気があるそうでございます。そこでどこへ行きたいかという希望を書かせたら,すべての生徒が希望するのが太秦の映画村ということでございます。私も孫を連れて一度行ったことがございますが,正直申し上げて,これはもっと拡充していただきたいという願いを込めて申し上げるんですが,あの程度で京都一の観光名所となるならば,このチボリ公園などはこれに匹敵する観光名所になることは間違いないと思いますし,特に夜間の観光資源に乏しい本市においては,なおさらという感じがするわけでございます。 更にこれに関連して,少々細かい話になりますが,梅小路跡地の横に京神倉庫,日通倉庫など貨物ヤードとして使われていたときの付帯設備があるわけでございます。これらの会社にも構想を説明してお願いし,協力していただけるならば,すばらしいものができると思いますが,市長さん,あなたの一遍お考えを伺っておきたいと思います。 更に関連いたしまして,その七条通を挟んで北側には,御案内のように京都中央第一市場がございます。この中央市場も51年度から3期にわたる計画で,やっと昭和63年に今日的に整備されたわけでございますが,その間,社会経済状況,特に食料品の流通形態も大きく変わってまいったわけでございます。現在では時代の要請に完全に適応できていない問題もたくさん出てまいっております。そこでこの新しい整備計画を作り,特に夜間でも稼働できるようなものにして,この梅小路公園と連動させて,例えば京都グルメの館とでも言いましょうか,こういうものを造り,広域的な観光名所にすれば,まち全体の活性化にも大いに貢献すると思いますが,市長さん,チボリ公園の構想も含めて一遍御所見と御英断をお聞かせ願いたいと思います。 話のついでに,もう少し本市の観光行政について所見を申し上げて整理しておきたいと思います。戦後今日まで大した汗も流さず先祖の残してくれた遺産を当てに,あたかも水や空気のように自然発生的に歴史的建造物が残り景観が守られてきたかのごとく,安易に考えてきたことは事実であろうと思います。皆様方が悪いというのではございません。それで事足りていたという時代も確かにあったと思います。それにしても余りにも安易に過ごしてきたのではないかと思います。 先ほど来,新しい観光資源の開発についてるる申し上げましたけれども,しかし何といっても京都の観光の本命は,美しい自然や景観と伝統的建造物及び施設であることは論をまちません。これらと新しい観光資源を開発し,そしてこれらを調和させ,いかにして相乗的に効果を上げていくかということが,これからの必須の課題であろうと思うわけでございます。 一昨年の秋でしたか,第3回世界歴史都市会議に御一緒いたしましたときに,あなたは会議の進行の議長を務められ,今や歴史都市の中では第一人者であるわけです。観光行政についてはエキスパートでもございます。それにしては今日まで,そしてまた今回の予算の中の観光関連部分の施策を見るときに,余りにもお粗末と言わざるを得ないと思います。これは単に文化観光局だけの問題ではございません。建設局,住宅局,清掃局など各局にまたがる問題であろうと思います。 取り急ぎ羅列だけいたしておきます。例えば鴨川河川敷の整備についてでございますけれども,五条から上流は,ある程度整備は進んでおりますが,五条から下流は全くそのままで進捗を見ておりません。国,府に対して強力にこれを要請し,速やかに整備すべきだろうと思います。またいつも言われます二・五・八,二条駅,東山五条,京都駅八条口の観光バスの駐車場対策,観光シーズン中の東大路の交通渋滞などでございます。京都の良さをじっくり味わってもらうためにも,例えば三十三間堂辺り,また博物館辺りに観光バスの駐車場を造り,東山山麓をずっと歩いて観光していただき,最後は平安神宮辺りで乗車するといったルートなどを設定し,これに対する諸施策を実施する。一応部分的な散策ガイドは設定されているそうでございますけれども,本格的なネットワークには取り組まれておらない現状でございます。人が歩けば経費も増大いたします。その他道路標識,公衆便所,ごみ対策など言い掛ければ枚挙にいとまがありませんが,十分留意され快適な観光ができるよう配慮されることを,これは切望にとどめておきたいと思います。 次に大学をはじめとする学園の流出対策についてお伺いいたしたいと思います。今京都には,国公立,私学を問わず総合大学,短期大学など合わせて38校がございます。そしてここに学ぶ学生数は約13万6000人,教職員が6300人,合計いたしますと14万2000人強,専門学校などを合わせますと市内の人口の約1割強が学生であると言えると思います。 ちなみに政令指定都市や学園都市の大学の設置状況を見てみますと,近年急速に大学移転立地が進んだ東京都八王子市が突出しているほかは,いずれの都市もこの京都を相当下回っており,その比率は群を抜いてトップにいるわけでございます。これぞまさしく1200年,日本の文化,学術創生の地として,また発信の地として栄えてきたゆえんであり,その伝承を受け継いで今日に至っている結果だと思います。そして今日まで世界的な芸術家の輩出,数多くのノーベル賞受賞者をも生み出してまいったわけでございます。 御案内のように,本市において一方の経済基盤をしっかり支えている先端技術産業なども,こうした学術研究の集積から生まれたものだと言っても過言でないと思うわけです。更に現時点においては,本市の生産,消費面においても,その活性化のために大きな役割を果たしていてくれるわけでございます。例えば平成4年に行ったある大学の調査によれば,大部分の企業が大学の京都への貢献度を高く評価し,市内に大学の存在が必要と回答しているなど,生産面において大学への信頼,依存関係がうかがわれます。また消費面で見ますと,大学関連の消費額の合計は,少なく見積もっても市民所得の約1割,3500億円余りを占めてといると言われておりまして,本市の重要産業の一つであると考えることができるわけでございます。 ところがここ数年来,この総合大学の市域外への流出が目立ってまいったことは御案内のとおりでございます。当然それにはそれなりの理由があるわけでございますけれども,その最たるものは,やはり土地の狭隘さからではなかろうかと思います。現在の大学の市内での分布をざっと見ますときに,その大部分が周辺の三山の麓にあり,拡充するにもいろいろな規制に掛かり,思うに任せぬというのが現状ではないかと思います。今日まで少々の規制緩和などの配慮はなされてきたようでございますけれども,この際,思い切った対策を考え,周辺の景観とマッチするような建造物であればこれを許可し,大学の流出を防ぐということは大きな意義と価値があると思うわけでございますが,市長さん,どうお考えですかお伺いいたしたいと思います。 念のために学生諸君個々に聞いてみますと,学校名は申しませんけれども,やはり我々の大学は山紫水明の古都,この京都市内にあって,休みのときには名所を訪探し,若者のことです,夜の勉強もやり大勢の市民の方々とも触れ合い,社会生活をも経験し,第二のふるさととして一生思い出に残る学生生活を送りたい,そのためには京都市内にあることが一番望ましいと言っております。私も全くそのとおりだと思います。関連して学校経営者や教職員,そして学生諸君がプライドと愛着を持って過ごせるような基盤とでもいいますか,そういう条件づくりも更に必要ではないかと思うわけでございます。 私は今日まで大学対策というと,感覚的にはどちらかというと産,官,学,3者でいろいろと考えてきたと思います。一般市民にとってはかけ離れた存在であったような気がしてなりません。これからは更にこれに民を入れて産,官,学,民,この4者の共同の課題として考えていくべきだろうと思います。 最近確かにこういう課題に部分的ではありますが取り組んでいただいていることについては,これも一定の評価はいたしますが,前述いたしましたように諸情勢,更には冒頭にも申し上げましたように,21世紀はまさしく国際化時代,特に東洋の時代だと思います。国際都市を標榜する本市として,関西復権の中で,大阪,神戸とは異質のものを持ったまちづくりのためにも,大学を十分活用した施策を進めていかねばならないと思うわけでございます。 またあなたが提唱されております健康都市構想の中でも,大学の果たす役割,またこれから多くの留学生を迎えることになるであろう大学,更には高齢化社会に対応した生活学習講座の市民開放,大学との相関関係など,今度は大学側から見た経済,地域住民,行政とのかかわり合いなどをまとめて一つの指針を作り,これを本市が今後進むべき行政の基本の柱とすることも今重要ではないかと思いますが,併せて御所見をお伺いしておきたいと思います。 次に小規模小学校の統合について質問いたしたいと思います。初めてこの問題を聞かされたときに,なるほど教育純粋論からすれば確かに当然だし英断だと評価いたしてまいりました。しかしながら実際問題として御案内のように,京都の市内中心部の小学校というのは,大抵は120年から130年の伝統と歴史を持ち,また学校によっては校舎建築費を区民が負担したという学校もあるわけでございます。更に京都には学校区というのが一つの行政単位のようになって,今日まで行政のお手伝いをしたり,また地域のコミュニケーションづくりをやってきたわけでございます。歴史的な伝統を持つものを一つに統合するということは絶対無理,考え方には賛成するが,私の目の黒いうちにはやめといてくれと冗談半分に言っていたときがございました。ところが教育委員会をはじめ各行政機関の熱心な説得と,地元関係者のそれこそ英断によって見事成し遂げられた,まさに感服の至りでございます。 しかし問題はこれですべてが終わったというわけではございません。むしろこれからこの跡地活用の問題の方が大変だろうと思うわけでございます。今回,空いた学校は当然のことながら市内の一等地ばかりでございます。本市にとってはまたと得難い土地ということにもなるわけでございます。公共用地に乏しく,社会基盤整備の後れている本市にとっては,十分に熟考を重ねて,かつ関係住民の皆さんの意見をも聴きつつ問題点を見出していかねばならないと思うわけでございます。庁内で統合跡地活用対策委員会が設置されて検討されていると聞いているわけでございますが,今日までの検討内容,経過等について薦田助役の方から御説明いただきたいと思います。 次に三山の山歩きをしてみたいと思います。まずポンポン山から出掛けてみたいと思います。昨年,大騒ぎして購入したポンポン山の利用計画について,あのときの説明では,市民が緑に親しみつつ憩える場として開発整備を進めるということでありましたが,今回の予算を見ますと,当該地の地形,地質,植生などの現況調査費1000万円のみが計上されているわけです。あの購入したときのことを思い返しますと,議会の日程,裁判所の決定に対する異議申立て制限など,まさに時間的に追い詰められてオーケーしたことを今思い出します。あれほどまでに大騒ぎして購入した土地だから,もう少し事前に調査し,今回辺りは具体的な計画案などを示され,それに伴う予算が上程されるのかと思っておりましたが,単に調査費だけでございます。ただで降って湧いた土地ではないわけで,財政の乏しい本市が借金して買った土地です。まだ起債の発行条件も詰まっておらないという状況の中で,試算いたしますと,来年金利だけでも約2億円程度掛かるわけで,宝の持ち腐れとまでは申しませんけれども,財産の持ち腐れではないかと思います。 平成4年7月に関連課長から成るワーキンググループ,京都市市内周辺地区振興方策等検討委員会を設け,現在同委員会に設けた土地利用検討小委員会で進められていると仄聞しておりますが,せめてこの席で我々が納得のいく計画策定の基本的な考え方などを一度佐藤助役の方からお示しいただきたいと思います。また問題の発端となったゴルフ場建設事業に関する指導要綱については,昨年の11月市会において,早ければ年度内に改正する方針を明らかにされておりますが,その見通しと進捗状況など基本的な内容についても併せてお聞かせいただいておきたいと思います。 山歩きの2番目は小倉山でございます。これも昨年我々議会がばたばたっと畳み込まれて,やむなくオーケーした経過があるのですが,これの計画について少々お尋ねしておきたいと思います。議員及び理事者の皆さん方は,あれほど大騒ぎした問題なので,その経過については十分御承知のことと思いますのでしばらく御辛抱を願いたいと思います。テレビを御覧の市民の皆さん方に御理解をいただくために,少々経過を説明しておきたいと思います。 京都市右京区の小倉山は,紅葉の名所として知られ,古都保存法に基づく歴史的風土特別保存地域に指定されておりますが,この小倉山において,昭和57年に山陰線の複線電化の実現に向けてトンネル工事に着手されました。その掘削残土約15万立方メートルは,当初山頂付近に仮置きし,新線の完成を待って開業までの間に搬出する計画であったわけでございますが,JR西日本がこの残土を10年間放置したままになっているのがこの小倉山の問題でございます。当時の国鉄に対する利用許可条件は,土砂は工事完了後速やかに搬出し,原状復旧することでありましたが,土砂の搬出の確保が困難なことや搬出作業に伴う2次環境破壊などを理由に,この約束は果たされないまま原状回復の期限は4年間延長され,平成4年12月までとなったのでございます。 結局JRは,当初計画を変更して,平成4年10月21日に元の地形と類似した形にするよう盛土をし,十分な植栽を行うとの復元計画案を京都市に提出,京都市は11月,土砂搬出をせずにそのまま元の姿に近い形を復元するというJR西日本の計画案を了承し,復元工事に必要な古都保存法と風致地区条例の許可を出したものでございます。 土砂を搬出して原状復旧することになっていた当初計画の変更を追認したことについて,市長は,JR西日本社長が迷惑を掛けていることを陳謝するとともに,小倉山一帯の景観保全のために3億円の拠出を申し出たことを報告,そのうえで,市民生活や自然環境の保全を考えると残土搬出は困難,搬出せずにできるだけ元の山容に近い形に戻す方法が現実に即した最善の方法であるとの結論に達したとの説明でございました。今後,小倉山は単なる保全ではなく,利用し,憩い,楽しむことができるように整備することが必要であり,散策道の整備など小倉山の歴史的風土を生かした整備を検討したいと,JR西日本の原状回復に加え,市として地域整備に取り組むとの考えを示したところでございます。 私たちも,この問題については不承不承同意したのですから,今更とやかく申し上げようとは思いませんが,ただ今説明申し上げましたように,前歴を持った相手なので,よほどしっかりとした対応と,復元に当たっては十分な監督をしていかないと,またぞろ何が起こるか分かりません。取り組む決意は分かりましたので,原状回復への具体的な説明と地域整備の内容について,今テレビを御覧になっている地域の方々並びに京都市民の皆様方に分かりやすく御説明願いたいと思います。 山歩きの3番目は大見の運動公園でございます。13年ほど前でしょうか,この計画を聞かせていただいたときに,これはすばらしい,私もかねてこういう施設を北部に造るべきだ,それは久しく北部山間地域の過疎対策が叫ばれ,地元からも事あるごとにそうした要望が出ておりました。 さて家族で,そしたまた町内で,更に子供たちを連れてハイキングとか,飯盒炊爨などに出掛けるとなると交通問題,更に便益性などを備えた施設が非常に少ないのが京都でございます。そうした中で今回の計画が進み,完成すれば子供たちをはじめ一般市民にとっても,ビルの真ん中で運動しているのとは違い,自然に親しみながら伸び伸びと運動でき,更にここを頂点としたハイキングコース,総合的な市民の憩いの場として大変貴重な存在になることは間違いない。特に最近のように,週休2日制,小学校の土曜休日など余暇が増えてくると,余り経費の掛からないレジャー志向が高まってまいります。そうした現在の世情を考え合わすときに,まさしく時宜を得た計画であったと思います。当然今でもそう思っているわけでございますが,ところが途中から京都特有の様々な意見が出てまいりました。逆に大きな反対運動が展開されるに至ったのでございます。 我々自由民主党は,北部周辺地域整備事業対策委員会を設けまして,地元反対同盟の人とも再三にわたり話し合いを進め,行政当局にも大きな手直しをも提言しながら,やっと説得し大多数の皆様方に理解をいただき,現在では賛成していただいているところでございますが,道路計画の二,三の地権者の方から同意がどうしても得られず,今日に及んでいるわけでございます。どうしても協力が得られないならば,確かに今日までに買収した土地があり,そして努力された行政当局の皆さん方には大変申し訳ないんですが,委員の中にも,もう計画を中止して抜本的な見直しをすべきでないかというような意見も出ておりますが,私は何としてもやっぱりこれはやり遂げねばならないという考えを持っているわけでございますけれども,市長さん,あなたの御意見をお伺いしておきたいと思います。 あと吉田山の問題,それから比叡平の問題といろいろございますが,時間がございませんので,山歩きはこの辺で終わらせていただいて,いったん休憩させていただいて,第一質問を終わりといたします。御清聴どうもありがとうございました。よろしくお願いいたします。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) それでは西脇議員の質問にお答えいたしたいと思います。 まず市長の政治姿勢についてお尋ねがあったわけでございます。私は,様々な問題が山積いたしております中で市長に就任いたしましたが,市長就任以来三つのことを重点に市政運営に当たってまいりました。一つは,転機に立つ京都が今後どのような都市づくりを進めていくべきか,その方向と道筋を明確にすることであり,健康都市構想の策定,まちづくり審議会の答申,新基本計画の策定に取り組んでまいったところであります。二つ目は,平安建都1200年記念事業,都市基盤整備などに係る大規模事業を着実に進捗させることであり,多くの懸案事項にめどを付けてまいりました。三つ目は,庁内の活性化を図ることでありまして,執行体制を強化するとともに,市民に開かれた信頼される市役所づくりに努めてまいったところであります。市会をはじめ市民,学識経験者の皆さんのお知恵をおかりしながら,御意見,御協力をいただき,私は全力を挙げてこれらの課題に取り組みまして,市政の新たな展望に向けて布石を打つことができたと考えております。 市長選についてでございますが,私は,今日まで市民の皆さんすべてが豊かに生きる健康が尺度,人が主役の施策を推進するとともに,世界に誇る個性的で魅力的な暮らしの舞台としての京都のまちづくりに磨きを掛けるために全力を傾注してまいりました。本年は大変厳しい財政事情でありますが,施策的経費への重点的配分に努めますとともに,市民の皆さん方にお約束いたしました,また今日京都が抱えております大きな課題を解決していくための総仕上げの予算として編成いたしたものでございます。今私に課せられた責任は,この予算の成立と万全な執行体制の確立でありまして,私自身の身の処し方につきましては,本予算市会終了後,種々熟慮のうえ,与党の先生方をはじめ私を支持,御支援いただいております方々と十分相談いたしまして決めてまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。 予算面から見た京都市政でございますが,この平成5年度予算についてお答えいたします。義務的経費の割合が高いという御指摘でございますが,本市は,他の指定都市と比較して最も高く,また本年度も歳出予算総額の伸びを上回るなど厳しい状況にございます。これは本市の高齢者の比率が高いこと,また生活保護率が高いことなどによりまして,扶助費の占める割合が非常に高うございます。またこれまでから可能な限り市債の発行による事業の推進を図ってきたことによりまして,公債費が増加してきたことなどによるものであると考えております。 一方,平成5年度におきましては,投資的経費について単独事業を対前年度比11.5パーセントと可能な限り大きな伸びを確保することができたところでございますが,他都市と比較いたしますと,市民1人当たりの金額には大きな差がございます。このため今後義務的経費を可能な限り抑制するとともに,市民生活の向上と財政基盤の強化を目指しまして,本市経済の振興を図る諸施策の充実をはじめ,都市活動全体の活性化に向けて現在策定作業を進めております新基本計画の推進に積極的に取り組んでまいります。また予算の重点的配分に心掛けまして事務事業の見直しを進め,財政の健全化に向け引き続き取り組んでまいります。 次に今後の財政の見通しでございますが,今回提案いたしております平成5年度予算につきましては,市税が前年度予算額を下回るという異例に厳しい財政状況の下で編成いたしたものでございます。しかし景気に配慮し,市民生活の安定を図るために,高齢者福祉,乳幼児医療対策の推進を図るとともに,東西線関連大規模プロジェクトや平安建都1200年記念事業の推進など,都市活動全体の活性化につながる各種事業への取組を重点的に進めことといたしました。今後も21世紀のまちづくりの基盤となる各種事業の推進に多額の財政需要が見込まれるほか,市債残額も多額に上っておりまして,平成6年度以降の財政運営は更に厳しさを増すものと考えております。このため今後の財政運営に当たりましては,事業の優先順位の厳しい選択を行いまして,財源の重点的,効率的配分に努める必要があると考えております。また事務事業の見直しなど徹底した行財政の効率化,財源確保のための国への要望活動の強化などの取組を一層進めてまいる所存であります。 次に税収確保の方策についてでございますが,税財源の拡充,税収確保について,御指摘のとおり平成5年度の市税収入見込みは,昨年度を下回るという厳しい見通しとなっております。景気の後退という状況の中で,法人関係を中心として大きく落ち込んでいるところであります。言うまでもなく,市税は財源の根幹であり,各種の事業を進めていくための基本であります。税収の確保を図るためには都市活動全体の活性化が必要であり,そのために都市基盤整備をはじめ,本市経済の活性化を図るための諸施策の実施が必要であると考え,でき得る限りその予算化を図ったところであります。 一方,自由民主党をはじめ各政党の御協力も得て,また他の政令指定都市とも協力しまして大都市の実態に見合う税財源の拡充要望を国に対し行ってきたところでありますが,今まで以上に要望を強めてまいります。また課税いたしました市税につきまして,滞納額が増大する傾向にありますが,これを放置しておきますことは,財源確保のみならず税の公平を確保するうえから見ましても非常に問題があると考えております。今後も引き続き滞納整理の取組を強めてまいります。 企画調整機能につきましては,平成4年4月に健康都市構想や重要事務事業の推進に係る機能の充実を図るために,企画調整局に調整課を新設いたしますとともに,有能な人材を配置するなど体制の強化を図ってきたところでございます。またこのような組織の整備を行う一方,企画,人事,財政の各部門の連携を強化し,市政の重要施策などの決定機関である助役会の一層機能的な運営に努めますとともに,新たに重要施策の審議を行う企画会議を設けたところであります。平成5年度は,新基本計画の実施の初年度に当たりまして,計画に掲げられました重要事務事業を着実に推進していけるよう,各局にまたがる新規施策については企画調整局が中心となって,その具体化を図るため新たに調査研究費を計上しております。また新年度におきましては,企画調整部門と一体となって事業推進に当たります各局の企画推進機能を強化するなど,全庁的な推進体制の整備に努めてまいりたいと考えております。 平安建都1200年事業でございます。御承知のとおり私たちの先人は,幾度かの京都の危機を不屈の精神に支えられた知恵とエネルギーにより乗り切りまして,今日の京都の礎を確固たるものにしてこられた経緯がございます。平安建都1200年記念事業は,再度先人たちより受け継いだ京都挙げてのエネルギーを蘇らせ今日の京都が抱える多様な課題にこたえるためのものでありまして,いずれの事業も将来の京都に不可欠のものであると考えております。もとより21世紀を展望したとき,これらの事業のみでは決して十分でないと考えており,新基本計画において21世紀への飛躍につながる事業を積極的に盛り込んでまいるつもりであります。この計画に沿いまして,100年後の京都市民に現在の取組が評価されることを念頭に置きましてまちづくりに当たってまいる所存であります。 地下鉄の東西線建設事業につきましては,現在建設工事の最盛期を迎えまして,各工区において相当の進捗を見ているところでありますが,一方山科駅工区のほか関連事業にかかわる工区や京津線直下の工事など,施工条件の極めて厳しい工区もございまして,工程上なお大きな課題を抱えている所も事実あります。今日まで平成6年度末完成を目指して工程短縮の努力を重ねてまいりましたが,昨年来全工区について進捗状況など詳細に点検いたしました結果,幾つかの工区におきましては,土木工事だけにつきましても,その完成が平成7年にずれ込まざるを得ないことなどが明らかになりました。更に土木工事に引き続く建築工事など各種工事や試運転などを勘案いたしますと,現時点の見通しといたしましては,全体の完成時期は,残念ですが平成8年末になるものと判断したところであります。今後とも市民の期待にこたえるべく関連事業の進捗も含め,全庁的な取組の中で最大限努力を重ね,一日も早い完成を目指してまいる決意であります。 京都市基本計画についてであります。京都は世界でも有数の歴史都市であり,その長い年月の中で独自の文化を育ててきた個性と魅力のある都市であります。しかし現在本市は,常住人口の減少をはじめ大学や事業所の流出,地域コミュニティの弱体化,京都らしい景観の変貌などが進みまして,京都が個性と魅力に満ち,文化豊かな活力ある大都市であり続けられるかどうかの岐路に立っておると考えております。こうした厳しい認識の下に,世界文化自由都市宣言が目指す永遠に新しい文化を創造し続ける都市を築くことが新基本計画の課題であると考えております。 このため人が主役の健康都市づくり,保全,再生,創造の都市づくり,発信を続ける芸術,文化の都市づくり,グローバルな視野での都市づくりの四つをまちづくりの基本方針にして,我が国,更には世界の中核的文化首都となるための施策を計画に盛り込むことといたしております。私は,この計画を指針として,行政と市民の皆さんが力を合わせ,また近隣の自治体などとの協力の輪を広げながら,21世紀においてもなお活力と魅力を持った京都のまちを造り上げていきたいと考えております。 ボランティアにつきましては,高齢化の急速な進行に伴い,在宅福祉や地域福祉を推進していくうえで,その確保や育成が重要であると考えております。一方,余暇を利用して充実した生活を送ることへの市民の関心も高まってきているところであります。本市におきましては認め合い,支え合う人のつながりを基本とした健康都市構想の理念を踏まえ,昨年の秋に高齢社会対策推進計画並びに国際障害者年第2次行動計画を策定いたしましたが,その中におきましても,ボランティアを大きく位置付けておるところであります。今後これらの計画に基づいて民間ボランティア関係団体との協調を図る中で,これらボランティア活動を始めようとする市民に対しては,気軽に活動に参加できるよう必要な支援を行ってまいります。また既にボランティア活動をしている市民に対しては,その専門性を高めるための研修や活動の拠点を確保するなど,その活動の一層の活性化に向けて条件整備を図ってまいりたいと考えております。 京都駅の改築についてでございますが,新しい京都駅は,消防施設や宿泊施設,文化施設を備えました複合機能型ターミナルとして整備されまして,関西国際空港とも結ぶ国際専用線も開設されて,多くの内外の人々が京都駅周辺に集まることとなります。このため駅を核として周辺商業施設と共存共栄できる一体的な整備が必要であると考えております。こうした考えに立って,景観や緑化空間の確保を図りながら,機能的な駅前広場の再整備を考えているところであります。更に周辺への回遊性を高めまして,京都駅を中心にこの地域が京都市の新しい核となるための方策が不可欠であると考えており,新年度において学識経験者や地元の方々も交えた委員会を設置するなどして調査研究を実施してまいりたいと考えております。 全国都市緑化フェアにつきましては,建設省の提唱によりまして,昭和58年から毎年開催されておりまして,都市緑化意識の高揚,都市緑化に関する知識の普及を図ることにより,国,地方公共団体及び民間の協力による都市緑化を全面的に推進し,もって緑豊かな潤いのある都市づくりに役立てることを目的といたしております。平成6年が平安建都1200年に当たりますことから,緑化フェアも1200年記念イベントとして位置付けており,他の記念事業とも連携し,全国及び世界をも視野に置きまして,1200年にふさわしい京都ならではの事業を展開してまいりたいと考えております。 また本市におきましては,都市緑化の推進を通じて健康都市京都の実現を目指そうと京都市都市緑化推進計画,いきいきグリーンプラン京都を策定したところでございますが,きょうとフェアはこの都市緑化推進計画を市民の方々に広く知っていただき,一人一人が緑を守り,増やし,育てることの意義を理解していただくとともに,都市緑化活動に参加していただく契機となるものといたしたいと考えております。 中央卸売市場及び梅小路公園についてお答えいたします。中央卸売市場が担っております機能は,卸売市場法に規定された生鮮食料品の円滑な流通であり,直接の市民の利用に供しているものではありませんが,今後梅小路公園を含めたこの地域一帯の都市環境に調和した多様な施設の活用が図れますよう,市場業界とも十分連携して施設整備の在り方などについて研究してまいります。 また梅小路公園につきましては,平安建都1200年記念公園として,都心の緑の創造をテーマに,21世紀に向けた緑豊かな防災緑地としての整備を行ってまいりたいと考えております。具体的な整備計画といたしましては,新しいシンボル的施設としまして,庭園及び緑の館を中心に芝生広場,四季の森,花の園路,ふれあい広場などを整備いたしまして,更に今後はまちの活性化や時代に即応し,周辺地域の土地利用状況にふさわしい,より有効な施設計画の研究を重ねてまいります。ただ今先生から京都活性化の方策として,チボリ公園構想の例など貴重な御提案をいただきました。今後そういった御提案を十分生かせるよう具体化に向けて検討してまいりたいと考えております。 梅小路公園の隣接地のうち,京神倉庫株式会社の所有地につきましては,防災緑地としての機能の充実など公園計画上有効な土地でございますので,平成6年秋に開催する第11回全国都市緑化きょうとフェアまで公園として一体的に整備できるよう,用地取得の協議をただ今進めております。 大学問題でございます。本市には37の大学,短期大学が集積しておりまして,文化,産業の振興や国際化の推進,若者による都市の活性化,市民のための生涯学習講座の開催など,本市のまちづくりにとって極めて大きな役割を果たしております。私は,京都のまちづくりを進めるに当たりまして,人を主役としたまちづくり,人から始まる活性化を重要な指針として健康都市構想を策定し,新京都市基本計画の策定に取り組んでおりますが,この中でも大学をまちづくりの重要な基盤として位置付けてまいりたいと考えております。このため現在,大学をはじめとする関係者の皆さん方の協力をいただきまして,大学と地域が相互に発展を続けるための総合的な長期プラン,大学のまち・京都21プランの策定を進めておるところでございます。このプランでは,大学相互間の連携強化,教育研究,学生生活環境の充実,大学と地域の連携強化を三つの柱に据えまして,大学振興のための具体的な事業に取り組んでまいります。 この中でも大学の流出を防止し,教育研究環境を充実するためには,施設整備を支援する抜本的な対策が必要であります。通常大学キャンパスは一定の広がりを持ち,かつ長期にわたって計画的に利用されることが多く,一般の土地とは異なる利用形態が可能であるので,市民の理解のうえにまちづくりと一体となった大学施設の整備を誘導するために新しい土地利用制度の在り方を打ち出す考え方であります。 小倉山の復元につきましては,昨年11月に許可したところでありますが,近くJR西日本にて復元工事に着手することとなっております。復元工事の内容は,トンネルから掘り上げた残土を利用しまして,元の地形に近い山並みに造成し,植栽を行うものであります。植栽は史跡名勝にふさわしく,松や桜,楓など,市民が四季折々に美しい景色を楽しむことができるものを植えてまいりたいと考えております。なお工事の実施に際しましては,防災,植栽等の専門家の助言をいただきますとともに,本市といたしましても十分な指導,監督を行ってまいります。また復元後は,地域の方々をはじめ広く市民に小倉山一帯のすばらしい自然環境の中で憩い,楽しんでいただけるよう嵐山の亀山公園から小倉山の頂上に至る散策路を整備するなど,一帯の優れた歴史的風土を生かした活用を考えており,今後具体的に整備計画を検討してまいります。 大見総合運動公園についてでございます。大見公園計画につきましては,市議会の皆さん方の御意見をいただく中で,当初計画いたしておりました盛土工法でなく,現地での切盛工法を採用することとし,見直し案を策定して地権者をはじめ関係自治会に説明を行ってまいりました。その結果,関係自治会には理解を得ておりますが,一部地権者の方の理解が得られない状況に今日あります。今後理解が得られますよう,より一層誠意を持って話合いを続け,計画を推進させるため努力してまいります。計画の中止をも含めて抜本的な見直しということでございますが,先生御指摘のとおり,京都市にとってこの事業は非常に重要なものでありますので,中止ということではなく,是非完成したいと考えておりますので御理解いただき,今後とも御協力いただきますようお願いいたします。なお道路整備につきましては,90パーセントの用地を取得済みでありますので,引き続き促進に全力を挙げて取り組んでまいります。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 ◎助役(薦田守弘君) 都心部における小規模校の統合によります跡地の活用についてでございます。昨年の5月に庁内のプロジェクトチームとして,統合校跡地活用対策委員会を発足させ,検討を進めているところでございます。検討の内容は,まず利用の枠組み,あるいは決定の手順,こういったものを基本方針として定めまして,この基準に沿って個々具体的な跡地の利用計画を定めるという2段階の決定方式が適当ではないかと考えております。そのただ今は第1段階,基本方針として定めるべき事項について検討を進めているところでございます。御指摘のように都心部におきます今後得難い貴重な用地ということもございますので,十分審議を尽くして今後の方針を出してまいたいと考えております。以上でございます。
    議長(川中増次郎君) 佐藤助役。 ◎助役(佐藤達三君) 西京区大原野におけるゴルフ場計画跡地の利用計画についてでございますが,御指摘のように現在庁内に検討委員会を設けまして種々検討を進めているところでございます。検討に当たりましては,京都市ゴルフ場等建設審査委員会の意見具申にもありますように,自然環境を生かした人と自然が触れ合える場として整備しながら,地域振興を図ることを基本的な方針といたしております。今後,今年度の検討を踏まえまして複数の利用案を取りまとめ,植生,地質等の現況の調査を行った後,最終的な在り方を決定してまいりたいと考えております。 次に京都市ゴルフ場等の建設事業に関する指導要綱の見直しについてでございますが,昨年5月,市長から1年をめどに見直しを行うよう指示があり,現在検討を進めているところでございます。具体的な検討内容と見直しの進捗状況といたしましては,運動レジャー施設の位置付け,あるいは近郊緑地保全区域の取扱い,更には土量の制限などの項目についてそれぞれ関係する局において検討し,現在その取りまとめを行っているところでございます。今後それぞれのこの結果を基にゴルフ場等建設審査委員会の場において総合的な検討を行ってまいりたいと考えております。 ○議長(川中増次郎君) 西脇君。 〔西脇尚一議員登壇(拍手)〕 ◆(西脇尚一君) 大変分かりよい答弁をいただいてありがとうございます。質問の要旨が悪かったのか,小学校の学芸会をやっているような感じでございます。びしっとしたところが一つもなかったというのが実感でございます。 ひとつ市長さん,これから出馬を決めるということでございますので,今更改めて申し上げませんけれども,本来ならやっぱり今回の市会を提案すると同時に,自分の立場をはっきりとして,どうだ,これで俺はやりたいとか,そういうことをここで表明されて,この予算審議をやっていただくというのがやっぱり一番適切ではなかったか,そういう感じがいたしますので,これも申し添えておきたいと思います。 次に執行体制の問題でございます。いろいろ申し上げましたけれども一つだけ,私たちは,職員に企業的感覚を持たすと,金もうけせいというわけではございません。武家の商法で役人に金儲けせい言うたってこれは無理なんですから,もうける必要はないわけでございますけれども,やはり銀行の窓口のように市民の皆さん方にサービスがいいとか,物を始末してせいぜい予算を余らして適切に使っていくという,そういう意味での企業感覚ということなんで,これはこれから職員を指導していく中で十分配慮してやっていただきたい,かように思うわけでございます。 それから予算関係でございますけれども,先ほど起債の依存度とかそういうことをやかましく申し上げました。過去,15パーセントになると黄信号,20パーセントになると赤信号というようなことがよく言われましたけれども,僕は少々,黄信号ぐらいになってもいいと思うんです。要はやっぱりその内容でございます。いつ,どこで消えたか分からぬというような執行では困るわけで,市民の皆さん方にそれが具体的に見えて,物質的にそしてまた精神的に間接,直接に,なるほどあれだけ借金したけれども,これだけのものができたということを市民みんなが納得するならば,こういう予算の再生産ということをどんどんやっていくことが,これからのまちの活性化に大きくつながっていくんではないか,そういう感じがいたしますので,その辺も踏まえまして,次おやりになるなら,もっともっと借金しても構いません。地方自治体でございますので,めったに銀行から取立ては来ませんので,大いに頑張ってやっていただきたい,かようにお願いをしておきたいと思います。 次に地下鉄問題でございますけれども,この本会議の席で延期になるということを表明された。非常に僕は苦労されただろうと思います。御苦心のほどをお察し申し上げますが,正直であっていいと思います。だらだら延ばしていったら,かえって市民の皆さん方に余分な迷惑を掛けるということで,御苦心の点はもう本当に大変だったなという気がいたしますけれども,先ほど申し上げましたように,大きな問題をたくさん抱えておりますので,的確に処理しながら,今度は平成8年度末には絶対に完成するように,管理者やれますな,これ発表して肩の荷が下りたということではございませんので,明日からというよりも今日からでも一生懸命やっていただいて,平成8年度末にはしっかりとできるように頑張っていただきますようにお願いしておきたいと思います。 それからボランティア活動の問題なんですが,僕はああいう論旨のことを聞いたわけではございません。市長さん,御案内のように京都市内には例えば体育振興会とか少年補導とか消防団とか地域女性会とか,あるいは社会福祉協議会とか市政協力員とかいろんなボランティア活動というのがあるわけです。こういう人たちが地域でいろいろと活動されている,僕ははっきり申し上げて,こういう人たちが現在までの日本の国家社会,そしてまた我々京都市をしっかり支えてこられた母体であろうと思っているわけです。こういう人に対する物心両面にわたる配慮が欠けているのではないか,こういう質問をいたしましたので,答弁していただく時間がございませんので,これは申し添えておきたいと思います。 次に京都駅問題でございますけれども,どうも僕が質問した3分の1ほども答えが返ってこなかったわけです。確かに相手もございますので,これは大変な事業だろうと思いますけれども,僕はやっぱりこの京都駅の問題と梅小路の問題,市長が決断されて,これを完成されたら,平安建都1100年は田辺朔郎,1200年は田邊朋之と,今から100年たった1300年に必ず話題になると思いますので,もしおやりになるならひとつ頑張ってやっていただきたいということを申し添えておきたいと思います。 この京都駅については,窓口がどこになるか分かりませんけれども,企画調整局だろうと思うんですが,局長さんね,例えば大名行列一つ取り上げても,大名だけがええ服着てたって,お供がみんなみすぼらしい服着てたんでは様にならぬわけです。やっぱりお供にもきれいな洋服を着せて初めて,ああ立派なお殿さんやなとなる。そういう配慮を京都市が,そしてJRがやることによって初めて一つの立派なエリアができてくる。それによって逆に相乗的な効果が上がって,伊勢丹が儲けはるのかどこが儲けはるのや知りませんけれども,向こうもやっぱり栄えていくということが後の世につながっていく一つの活性化であるということを十分局長さん説明して,一方通行にせずにひとつ頑張ってやっていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。 それから梅小路公園の問題でございますが,京神倉庫が今回のこの事業に協力されたということについては,この席で僕もはっきりと感謝というのかお礼を申し上げておきたいと思います。そしてまたこれの話合いに努力された建設局関係の皆さん方にも深い敬意を申し上げておきたいと思います。 僕はこのチボリ公園,皆さんお知りにならぬ方もあるかと思いますけれども,僕んとこの家に来たらようけ写真がありますから見せます,どんな公園かというのを。これも今申し上げましたように,確かに国とのかかわり合い,防災公園とか都市公園とのいわゆる建ぺい率の問題とか非常に難しい問題があると思うんですけれども,国の方でもこれからこういうのは,ある程度徐々に緩和していくような話を聞いておりますので,今ここ1年,2年の話ではないと思いますが,この緑化フェアが済んだらしっかりと腰を落ち着けて,平安建都1300年のときに,なるほど先人はこんな立派なものを残してくれたと喜ばれるようなことになるように,ひとつこれは市長さん何とか,これだけ違います,ほかのものも含めて頑張ってひとつやっていっていただきたいということを特にお願いしておきたいと思います。 それから統合問題でございますけれども,これは余りせかなくてもいいと思います。じっくりと腰を落ち付けて京都市全体の都市計画の中でどうあるべきかということを地元関係者と十分話合いして理解していっていただいたら,京都市が意図する手法ができていくと思いますので,これもあえて申し添えておきたいと思います。 そのほかまだいろいろと申し上げたいこともございますけれども,後これから委員会におきまして同僚議員とともに更に詳しく検討を進めてまいりたいと思います。以上をもちまして第二質問を終わらせていただきます。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 暫時休憩いたします。 〔午前11時48分休憩〕 〔午後1時2分再開〕 ○議長(川中増次郎君) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行いたします。小林正明君に発言を許します。小林君。 〔小林正明議員登壇(拍手)〕 ◆(小林正明君) 私は,自由民主党京都市会議員団を代表いたしまして,21世紀の京都再生のかぎを握る問題,数点についてお伺いいたします。 第1に,同和問題であります。先ほど同僚の西脇議員からも出ましたように,今年8月はいよいよ京都市長の改選期であります。4年前,田邊市長は,京都市役所の庁外から市長をとの市民の期待の下,医師会会長から市長へと転身を図られました。市民の新しい市長への期待は,難題の山積する現在の京都市において,過去のもろもろのしがらみのない人ということも一つの要因であったと考えられます。難題の一つが同和行政の進め方であります。私も議員に当選させていただく以前は,報道機関や代議士秘書として働いておりましたが,京都市役所に通うようになって同和行政の在り方に対する驚きを一段と強くしているのが実感でございます。 以前から市民の方々が口々に京都市の同和行政の進め方はおかしいと言われるのをよく耳にしました。しかし話の内容をよく聞いてみますと,単なる噂や伝聞の域を出ないもの,あるいは流言飛語的なものが多いこともまた事実でありました。しかしすべてがそうではありません。最近はむしろ的を射ていることが多くあります。これは京都市の40年に及ぶ同和施策について,以前は知らないでおこう,触れない方がよいと思っていた市民が,徐々にではありますが矛盾を感じ,それに対する考え方を持ち,意見を述べるようになってきたものと思われます。 昭和26年,当時の高山市長時代に起こったオールロマンス事件により,京都市は,昭和27年から全国に先駆けて同和問題の解決に取り組んでおり,特に昭和44年,国の同和対策事業特別措置法が施行されてからは,地域の実態改善と格差是正を重点に,20年余りの間に市民の貴重な税金2520億5523万円を費やしているのであります。平成5年度における同和予算を見ましても179億6700万円で,前年度比0.3パーセント増となっております。 昨年3月,法が5年間延長されましたが,京都市においては,この5年間に行うべき事業が改良住宅を中心におよそ630億円分残っていると言われております。 一般施策を補完するために進められてきた特別施策としての同和事業の解決に向けて,私たち自由民主党市会議員団は,昨年3月25日の市会本会議において,本市の行う国の助成事業及び市独自の事業の終結のための経年度計画を策定すること。運動団体に対して主体性のある行政の推進を一層強力に進めること。部落解放基本法制定要求運動実行委員会から脱退することを決議しました。しかし果たしてこの1年間,私たちの決議に対して行政はどのように取り組み,どのような成果を生み出したのでしょうか。京都市においては,昭和27年以来40年にわたる同和問題の取組により,地域住民の環境整備,生活実態は一定の改善を見,経済的,社会的地位はかなり向上したことは確かであります。今後は法期限内に同和事業を終結させて一般行政へ移行させることが問題の根本的解決につながっていくと考えております。 さて私の手元に,昭和62年12月の決算市会において同和事業の見直しを求める決議が全会派一致で行われた記録があります。その決議内容は,1,職免,交渉,助成の適正化,いわゆる3項目の遵守,2,保育料等個人施策の見直し,3,体育館等施設の共同利用であります。そしてこの決議内容3点について,昭和63年11月定例会において,今は亡き木俣秋水先生が,決議以来1年有余,理事者側はこの市会決議にまともに対応する徴候はなく遺憾であり,怠慢と断ぜざるを得ないと発言されております。あれから現在まで5年3箇月の月日が流れていますが,この3点がどのように改善されたかお聞かせください。 まず職免であります。数年前より件数は減ったと聞いておりますが,現在における必要性と現況についてお聞かせください。次に交渉についてであります。交渉は協議と名を変えて,回数や時間の実態は以前と変わってないのではないでしょうか,また交渉の在り方をどう位置付けているのかお答えください。そして助成は適正化されているのか,カンパはどうなっているのか,具体的な数字を基にお示しください。次に体育館などの公共施設の共同利用については,どのように取り組んでおられるのか,本当にやる気があるのかないのか,その見通しについて市民に分かりやすくお答えください。 先日,我々自由民主党市会議員団は,福岡県の北九州市へ同和行政の視察に行ってまいりました。のらりくらりと課題を後送りにし,遅々として事業が進まない本市とは違い,厳しい条件に立ち向かい乗り越えていく勇気ある北九州市の行政担当者,これは市民の理解という強力なバックアップに支えられているものですが,彼らの真の同和問題を解決するのだという姿勢を目の当たりにしてきたのでございます。 幾つか例を挙げさせていただきます。まず職免は年間20人程度,決められた場合以外の職免は一切なし。もちろん運動体との交渉のとき,双方市職員同士ということなどはあり得ないということであります。また交渉は法の変わり目,あるいは予算要望とその結果説明のときだけ。各地区の支部長,書記長レベルの交渉はありますが,すべてその窓口を通じて行われるということであります。時間も2時間以内でマスコミや議員にも公開しているということでありました。個人カンパについては,水平社70周年記念行事など大きな行事開催時に多少ありますが,それ以外は一切なし。保育料は一般料金の2分の1と明記されており,一般料金が改定されれば,それに連動して同和保育料も改定される。個人給付事業については,民生局がすべての実施事業についてリーフレットで明らかにし,市民の理解と協力を得ているということでありました。北九州市では,このように行政の主体性を発揮して,ここまで同和問題を解決してきたのであります。京都市も是非参考にしていただきたいと思います。 とりわけ市民の話題によく上るのが同和保育所の問題であります。いわゆる属地属人しか入所させない同和保育所が京都市に23箇所あります。これらの保育所は定員割れのうえ,一般の保育所に比べ格安の保育料と聞いております。現在の厳しい経済状況の中で,一般保育所において乳幼児の場合,月4万円も掛かるのに同和保育所では最高の方でも5000円で済みます。なぜこのような大きな格差が必要なのでしょうか。私には分かりません。お教え願います。是正する考えがあればお示し願います。また地区住民の方々のための改良住宅は,現在4200戸あると聞いております。市営住宅に入りたくても入れない人がたくさんおられますが,改良住宅の空き室状況を明らかにしていただきたいと思います。 次に個人給付についてであります。本市には27の個人給付事業があると聞いておりますが,奨学金など貸与となっている事業について,これらのお金はすべて償還されておりますか。100パーセント返っておりますかお答えください。個人給付施策の必要性についてのお考えもお示しください。そして先ほども申しましたが,北九州市では市民の理解と協力を得るため,すべての個人給付事業がオープンにされておりますが,本市においても市民しんぶん等で公表することについてのお考えはあるのか,これらを個々にお答えください。同和問題は市民一人一人の課題ですという以上,これぐらいのことは当然すべきだと私たち自由民主党は考えております。 そのほか平成3年度の資料によりますと,運動体に対して全国行動,研究,研修,学習会などの名目で46件,6279万2000円が交付されております。6279万2000円です。これらはもちろん一件一件詳細に個々の領収書までチェックされ,支出されていることだと思いますが,そのことについて確認の答弁をお願いするものでございます。 また市民の大きな不満の一つに,同和雇用対策としての職員の選考採用の問題があります。選考採用の弊害としては,職員が競争試験により採用されているわけではありませんので,市民からの信頼を十分に確保できないジレンマが生じていることが挙げられます。いみじくも今年は2年に1度の選考の年に当たります。長い間の歴史や経過があり,一概に問題を片付けることはできないと思いますが,例えば申込み方法について,従来のやり方を改善してみてはどうでしょう。北九州市では,職種別に職員採用は公募制をとっているそうです。現在,選考により職員を採用している一部の職種について,広く一般市民にも門戸を開き,選考採用の比率を徐々に下げることにより,自ら作っている壁を取り除くべきであります。現在の市役所の中では,時としてこれら選考採用の職員が他の職員の士気にも影響する言動を起こすことさえあると聞いております。公僕としての自覚や自己研鑚を更に積むことも望まれます。このほか問題点はもろもろ枚挙にいとまがありませんが,これぐらいにとどめておきます。 この問題の最後に,田邊市長は,先日同和地域を視察されたと聞いておりますが,どの地域を視察されたのでしょうか。またそれは自主的に行こうと思われたのか,運動体に要請されたから行かざるを得なかったのか。もし自主的に行こうと思ったのであれば,なぜこの時期に,どういう理由で行こうと思われたのかお伺いしたいと思います。いずれにせよ京都市は,特定の運動団体に偏ることなく,行政としての強力なリーダーシップの下,公正に同和行政を推進していただきたいと考えます。また運動体はじめ地域の人も,差別を解消していく権利を持ち合わせるとともに,一方では義務をも果たすという姿勢で一日も早く自立していこうという自覚の下,残された施策や問題点を市民とともに協力しながら一般行政へと移行するのが最善の道であると考えます。以上,同和問題を21世紀に持ち越さないためにも,真の問題解決に向けた答弁を求めるものであります。 次に21世紀を担う若者,高校教育についてお尋ねします。京都では,私学志向,公立離れということが言われて久しいのであります。京都市内には25校の私立高校がありますが,それぞれ超難関大学への合格実績を売物にする学校や有名私立大学の付属高校として利点を生かす学校,更にはユニークな教育内容を導入して人気を集める学校など,それぞれ私学として独自に特色ある取組をしておられます。この傾向は,この先訪れる生徒の急減期を見越して一段と強まっており,私学人気は依然として根強いものがあるようです。 こうした状況の下で,公立高校では危機感を募らせ,生徒の進路希望実現に向けて様々な取組がされてきております。先日実施された推薦入試もその一つであり,今年は商業高校や工業高校で推薦入学枠が拡大されたこともあり,多くの学科で昨年度の志願者を上回ったとのことであります。中でも目立って中学生の人気を集めたのが,お正月早々ラグビーで全国優勝を成し遂げた京都市立伏見工業高校と京都市立紫野高校の英文系であります。紫野高校の英文系は,昨年7月に新設が発表されるや否や,各中学校で大きな反響を呼びました。この英文系の推薦入試では,定員20名に対して165名の志願者があり,実に競争率は8.25倍となったのであります。これは京都府内の公立高校としては過去最高の記録だと新聞に報じられておりました。国際化時代に対応した新しい教育の実現,英語能力の伸長を目指すバラエティ豊かな取組など,時代の要請と生徒のニーズにこたえた紫野高校英文系への期待がうかがえるところであります。このように京都市立高校に,これまで市内の公立高校にはなかった新しい特色ある教育が誕生し,市民各層の幅広い信頼を得たことは誠に喜ばしい限りであり,国際文化都市京都の顔として,文字どおり全国に誇り得る英文系となるよう念願するものであります。 そこで教育長にお尋ねいたします。教育委員会としては,紫野高校英文系の設置に見られるような高等学校教育の充実について,今後どのように取り組み拡充していかれるのか具体的に御答弁ください。また他の市立高校においても,市民に信頼され期待にこたえられるよう,その学校にしかない魅力ある特色を作っていくことが是非とも必要であると考えます。かつて伏見工業高校や洛陽工業高校からは数多くの1級建築士が生まれ,西京商業高校からは立派な経済人が育ったと言われております。普通高校だけでなく工業高校や商業高校にも目を向けていただき,各高校が特色と魅力ある学校となるよう,どのように取り組んでいかれるのか併せてお答えください。 次に21世紀をたくましく心豊かに生きていく子供たちを育てるための学校教育の活性化,とりわけ特色ある学校づくりに関してお尋ねいたします。京都のまちの学校は,明治5年の政府による学校設置をさかのぼること3年,明治2年に京都のまちの復興を願う町衆の力で学校を創設された歴史があります。子供たちを思い,教育環境の拡充に向けた学区民挙げての協力,支援が京都の教育の大きな支えになってきたものでありますし,それゆえにそれぞれの地域に根差した独自の特色を持つ学校として学区民に親しまれてきたところであります。 私は,21世紀を目前にした今,進歩と変化の激しいこれからの社会を見据えたとき,新しい時代を築いていく青少年に求められるのは,創造性であり個性であると同時に,個々人の多様な生き方や人間性を支える知性,教養であり,学ぶことによって鍛えられるたくましい力であると考えております。しかしながら現在の子供たちを取り巻く状況は,いじめをはじめとする問題行動や不登校などの課題が山積し,こうした対応に追われる余り,学校教育が本来果たさなければならない役割を見失っていきはしないかと危惧しております。知,徳,体のバランスのとれた教育の推進こそ,子供たちに今必要な力を養うことができるものであります。それぞれの学校の特色を生かした教育目標を校長先生が強力な指導性を発揮して確立され,それに向かって子供たちが一つの活動をやり遂げることによって身に付ける自信や成就感は,子供たちの他の学習や生活面においても波及効果を及ぼすものであり,学校全体としても創造的な校風づくりに結び付くものであります。 そこでお尋ねいたします。新しい学力観が文部省からも提唱され,学校での教育活動にも大きな幅が出てきていることも確かであります。今こそ京都の学校に筋を通した特色ある伝統校づくりが必要であると確信しておりますが,具体的にどのような取組を展開されるのか教育長に御答弁をお願いいたします。 次に国際化がますます進展する今日,それに対応する教育の取組についてお尋ねいたします。我が京都市は,来年,平安建都1200年を迎える歴史と伝統のまちであり,山紫水明の美しい自然環境を有した世界に誇り得る日本文化の中心地であります。日本国内はもとより海外からも多くの観光客や留学生等を迎え入れ,国際都市として発展してまいりました。昭和53年10月には世界文化自由都市宣言を行い,その実現に向けて世界歴史都市会議の開催や国際交流会館の建設など,もろもろの施策が展開されてきたところであります。更に近年の交通,通信網の著しい発達は,国と国,都市と都市との交流にとどまらず,地域や市民レベルでのいわゆる草の根交流が盛んとなり,子供たちが将来の国際化の担い手となることは言うまでもありません。その際,こうした国際化の進展に応じた学校教育の役割を考えた場合,子供たちに外国の人々との相互理解を深めるためのコミュニケーション能力を育成していくことは極めて重要な教育課題だと思います。本市においても国際化に対応する教育が多様に展開されているとのことで,こうした取組は今後とも一層拡充されていくべきものであると考えておりますが,目を世界を転じてみますと,経済統合という新たな国際化に直面しているヨーロッパでは,諸外国との交流の増大に備え,従来中等教育から開始されていた外国語教育を初等教育から実施しようとする試みが既に始まっていると聞いております。 平成2年の秋,我が自由民主党は,政令指定都市議員連盟の会合の席で,生きた英語になじみ,話せる日本人を増やすため,小学校からの外国語教育の導入に取り組むことを申し合わせておりますし,京都市会においても平成3年3月,小学校にも外国語教育を導入するよう求める意見書を共産党を除く賛成多数で可決し国に提出しております。一方,文部省においても,小学校での英語教育導入は,次の教育課程改定の検討課題であるとの見通しを示しており,昨年の秋から大阪市立の小学校2校が文部省の指定を受け英語教育の研究,試行を開始しているところであります。 こうした内外の動きを考えるとき,21世紀の世界文化自由都市京都を担う小学生にコミュニケーション能力の基礎を培い,国際社会の中で生きるために必要な資質を養っていくことが大切であり,そのため本市においても小学校での英語教育を他都市に先駆け検討,導入することが必要であると考えますが,今後の見通しを含め教育長の御所見をお聞かせください。 21世紀のビジョン策定についてお伺いいたします。今年度の予算案を見ますと,いよいよ基本構想の見直しに着手されるようですが,この際,本市が今後どのような方向に進むのかという基本的な見通しを明確にしておく必要があります。市長,あなたは今基本構想という屋台を支えることのできるような大黒柱と成り得る基本的な考え方をお持ちですか。失礼ですが十分には持ち合わせていないと思います。それならばどうすればよいか,人々の意見を聴くべきであります。日本の京都,いや世界の京都です。世界中の人々に京都を考えてもらおうではありませんか。この時期,市民にとってただ回数だけを消化しているかに見える歴史都市会議をやめろとは申しません。歴史都市会議は,あれはあれでお続けになるなら続けたらよいと思います。むしろ全世界の人々に,観光都市ゆえに京都の置かれた立場,文化歴史都市ゆえに京都の持つ課題などを理解してもらうためとでも言いましょうか,そんな会議を京都で開き,京都の21世紀を論じてもらおうではありませんか。 マスコミ至上主義ではありませんが,全国ニュースにもならない歴史都市会議より,サミットフォアキョート,京都のための国際会議をやるべきであります。衰退する京都が全世界に最後のエネルギーを振り絞って呼び掛けてはいかがでしょうか。京都にとっては今が最後のチャンスであります。このような注目を浴びた会議を経てこそ,世界中の人々の提言と応援を受けた立派な基本構想ができ上がるのだと私は信じております。基本構想策定のための国際会議開催,この私の意見について,市長はどのようにお考えでしょうか。一議員のはかない夢,提言として片付けてしまう程度のことだとお考えでしょうか。お答えください。また策定から10年を経た現時点での市長の基本構想に対する一定の総括をも併せてお聞かせいただきたいと思います。 平安建都1200年記念事業について1点だけお聞かせください。先ほど先輩の西脇議員からも申しましたように,記念事業といっても冠を付けた事業が,まるで電線に止まる雀のように並んでいるだけであります。いつ開催してもいいような事業を鳴り物を付け,平成6年に寄せ集めたというのが実感です。神戸市では,小磯記念美術館を昨年秋,いともさりげなく静かに建設しました。すばらしい常設美術館ではありませんか。市長御存じですか。眠れる美術品を数多く抱える本市での第2美術館建設は一体どうなるのでしょうか。行政担当者も建設を忘れ眠ってしまっているのでしょうか。また国立国会図書館の誘致はあきらめたのですか。過去の遺産を食いつぶしているだけの京都には未来は生まれてこないでしょう。行政がもっとリーダーシップを発揮して,自己改革を行うとともに,発想の転換をすべきであります。大切なこの時期,危機感を持って取り組んでいるようには思えません。平安建都1200年という年を,事業実施を通して論ずるならば,市長は一体どのような位置付けでとらえておられるのか,建都1100年と対比し,1300年を見据えて御所見を賜りたく思います。 続いて高齢者福祉の充実についてお伺いいたします。現代は,核家族化の進行や女性の社会進出などにより,高齢者の問題は極めて重要な社会問題となってきていることは皆様御承知のとおりであります。このため国においては,平成2年に高齢者福祉推進10箇年戦略を策定いたしました。また本市においても,平成2年に実施した京都市高齢社会対策実態調査の結果を踏まえ,平成4年10月に,平成5年度を初年度とするこれからの京都市における高齢者問題への対応の方針と具体的施策内容を明示した高齢社会対策推進計画を策定されましたことは一応評価するところでございます。しかしながら平成5年度の予算案を見る限りにおいては,推進計画の記念すべき初年度にもかかわらず,目玉となっているような具体案は何ら見当たりません。特にデイサービスや介護支援センターについて,その手当てがまだまだ薄いようであります。これからますます高齢者が増加するのに伴い高齢者自身はもちろん,その家族を取り巻く情勢が深刻となっていくことが予想される中,いささか危惧の念を抱かざるを得ないところであります。 そこで市長にお尋ねいたします。神戸市においては,既にしあわせの村が開村いたしました。それは福祉施設を中心とする都市公園などの各種施設が総合的,体系的に整備された大規模で理想的な総合福祉ゾーンです。本市では,老人ホームも少なく,在宅施策もまだまだ不十分という中において,深刻な社会問題となっている高齢者対策について,どのような方針で取り組んでいこうとされるのか,社会的背景を踏まえてその具体的なビジョンをお示しください。 次に今年10月に京都市を中心として開催される第6回全国健康福祉祭京都大会,いわゆるねんりんピック’93についてお伺いいたします。この大会は,政令指定都市では初めて開催される都市型のねんりんピックであり,京都という開催地ゆえ全国的に注目を集めるものと考えられます。先ほど申しました高齢社会対策推進計画においても,ねんりんピックは単に高齢者を中心とした生きがいや社会参加のための催しとして位置付けるだけではなく,高齢者を中心とした広範囲な年代の方々の参加を得て,みんなで高齢者観や高齢者問題を考える契機とするものとして位置付けられています。我が京都市においては,選手の輸送や駐車場など,都市型の大会ゆえの懸案事項も数多くあると思われます。 そこで市長にお尋ねいたします。開催まで残り7箇月余りとなった現在,開催準備もそろそろ詰めの時期となってきていることと思いますが,現在の進捗状況をお聞かせください。 増え続けるごみの減量化,再資源化の取組についてお伺いいたします。私たちの日常生活が豊かになるにつれ,使い捨て商品や容器の多様化で家庭や会社,各行政機関においても,ごみは年々増え続ける傾向にあります。私たち一人一人が毎日の生活において無駄なごみを出さない努力をする必要があるのはもちろんのこと,ごみを減らすためリサイクルを促進させていくことは,ごみの処理のみならず資源の有効利用や地球環境保全の観点から重要な課題となっております。このため国においては,既にリサイクル法が制定され,更に昨年7月,廃棄物処理法が施行されたところであります。 一方,京都市では,昨年3月のごみ減量化等検討委員会の提言を受けて,21年ぶりに今回清掃条例の大幅な改正が提案されたものと承知しておりますが,今後ごみを一体どのように減らしていこうとされているのか,その基本的な考え方と減量の実効性をどのように確保しようとされているのかお聞かせください。 次に清掃工場の建設問題についてであります。左京区の市原野に建設予定の新規清掃工場は,平成3年5月にその計画を発表されてから既に1年9か月が経っています。昨年の秋,私たち自由民主党市会議員団は,この建設予定地を視察いたしました。緑の木立に囲まれた空気のきれいなこの地に40メートルの建物を建て,その上にそびえ立つ3基の煙突を持つごみ焼却場,こんなものを建てるのは,いろいろな意味で大変だなと思ったのが私の正直な感想であります。 地元では,建設計画の新聞発表と前後して対策委員会が結成され,その後京都市との話合いが続いていると聞いております。しかし地元の対策委員会は,市原野の盆地において工場から排出される有害物質による環境破壊や京都市のごみ行政に対する根本的な取組方に疑問を持っておられるようです。京都市は,環境アセスメント調査費をおよそ4億円計上していましたが,これは現在どうなっているのでしょうか。基本的には,今まで以上に地元との話合いを精力的に行い理解を得ることが最も大切であろうと考えますし,従来の清掃工場建設においても,地元の理解の下に推進してこられたものと考えております。今後この新規清掃工場の建設計画をどのようにして推進されるのか,地元との協議状況も併せてお聞かせ願います。 更に既設の清掃工場についてでありますが,清掃工場は,一度建設すれば未来永久に使えるものではありません。オーバーホールもしなければなりません。現在稼働している清掃工場の中で建設後一番古いものが,昭和43年に右京区梅ケ畑に建設された北清掃工場です。既に25年稼働しています。昭和62年と63年に大規模な改修をし,延命されたと聞いておりますが,他の清掃工場も順次古くなっていくのは明白です。5年,10年といったような目先のことだけでなく,もっと長いスパンでの将来展望を持った廃棄物の処理体制というものを考えていかなければならないと思いますが,これらの課題についての見解をお聞かせください。 次に和風迎賓館の建設についてお聞きいたします。我が党は,平成6年の関西国際空港の開港をはじめとする様々な国際化の進展の中で,一極集中の是正という国の政策にも合致し,優れた日本文化の紹介と国際理解と国際親善を一層深めるため,世界に誇れる和風迎賓館を京都に建設することは極めて重要な事業であるとの考え方から,一昨年来より和風迎賓館建設促進議員連盟を結成し,強力に和風迎賓館の京都誘致を推進してまいりました。昨年12月に総理府の調査委員会で,京都が最も立地場所としてふさわしく,京都御苑を候補地とする中間報告が発表されましたが,引き続く平成5年度政府予算案の復活要求にも,我が党の多くの同僚議員は,田邊市長とともに東京まで積極的に足を運び要望行動を行いました。その結果,地元選出の我が党国会議員の御努力もあり,およそ6000万円が計上されるなど実現に向けて大きく前進したのであります。私は,真に本市の21世紀,京都への飛躍につながるものとして,この和風迎賓館建設事業を取り組んでいただきたいと思います。 そこで市長にお尋ねいたします。このような中で記念すべき平安建都1200年の平成6年を目指し,京都御苑に早期に建設されるよう今後どのような取組を図られるのか,市長のお考え方をお聞かせいただきたいと思います。また併せて地元としてどのような協力が行えるかについてもお聞かせ願います。 市庁舎の建設についてお尋ねいたします。現庁舎は,明治28年に市会議事堂として誕生し,昭和2年及び昭和6年の改築により現在に至っております。いわばこの庁舎は,市議会発祥の地にあるとともに,それなりの歴史と風格を合わせ持つ建物であると言えます。しかしながら,その中身といえば,組織の増大化に伴い議会や事務室スペースは狭隘を極めており,市民ロビーと言えるものといえば,本庁舎中央階段下に小さなソファが3脚あるだけで,この寒い季節に暖をとることができない状況であります。 他都市の状況を見ますと,東京都におきましては,平成3年3月に新都庁舎が竣工し,川崎市では地上19階,地下4階の第3本庁舎が平成5年の秋には竣工いたします。またお隣の大阪市におきましても,昭和60年に292億円を掛けて,あの中之島の景観に見事にマッチしたすばらしい庁舎が建設されております。 本市におきましては,平成2年度から田邊市長の英断をもって庁舎整備のために基金の積立てを始められ,我々の期待も大変大きいところであります。新庁舎の建設につきましては,市政と市民の交流の拠点となる市庁舎の立地という観点から,最もふさわしい建設場所を考えていかなければなりません。現在では,建設候補地も数か所に絞られてきているものと思われますが,市民とともに新庁舎建設を考え,開かれた市政を実践するためにも,この時期にこそそれぞれの候補地について,候補地として挙がった理由並びに課題としての問題点を具体的にお示しください。また平成4年6月から市庁舎整備検討委員会を設置し,新庁舎建設計画について検討を行っておられますが,併せて現在までの取組状況と今後のスケジュールを,その座長である薦田助役にお尋ねいたします。 最後に私の地元北区大北山原谷地区についてお伺いいたします。原谷は金閣寺の北部の山間に位置する金閣学区の一地域であります。昭和23年に戦争引揚家族18世帯が初めて入植し道路を開き,また水路やため池を整備し,昭和37年4月に13年余りの歳月を掛けて開拓事業の完成を見たものであります。この間およそ90万人の作業員の方が汗を流し,当時のお金で3億8500万円の費用が投じられたと言われています。そして入植者は,織物業に携わったり,農業,林業等で生計を立てたりして今日に至ったわけであります。昭和23年の戦後の復興期から今日の飽食時代まで,人一倍苦労されたことでしょう。そんな努力の成果が実ったのか,現在ではおよそ1140世帯,3290人の人たちが住まいをされています。 ところがこの地域には公共施設が一つもありません。道路も最近になって氷室道の一部拡幅計画が発表されましたが,千束御室線は農林橋まで以前と同じ1車線通行しかできない有り様であります。無医療施設地域でもあるため,山間の道を救急車が通るのに四苦八苦,火事になれば消防車が右往左往というのが実情であります。またこの地域の児童,生徒は,大半が峠を下りて金閣小学校や衣笠中学校に通学しておりますが,金閣小学校に通っている児童は224人で金閣小学校全児童の38パーセントに及んでおります。近い所で20分,山間部の奥から通っている児童や生徒は40分ぐらい掛かる子供もいると聞きます。通学児童の安全を守るためにも,地元民のためにも一日も早い道路,歩道の整備をお願いするものであります。またこの原谷には児童館や図書館,学童保育所等の施設が皆無であるのも残念なことであります。地元からは請願が出されたこともありますので,当局の真剣な対応をお願いしておきます。 最後にもう1点,私たちの快適な日常生活に欠かすことのできない下水道の工事の件であります。平成4年から原谷地域における下水道事業が始まりましたが,現在着工されている工事が完成しても地域の60パーセントしかカバーできないと聞いております。今後の予定をお聞かせください。 以上,北区衣笠から原谷に通じる氷室道並びに北区鷹峯千束町から原谷に通じる千束御室線の道路整備,そして児童館,図書館,学童保育所等の公共施設建設の件,地域内下水道の今後の予定をお答えいただきたいと思います。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) 小林議員の質問にお答えいたします。 まず同和地域におきます保育料の問題でございますが,御存じのように同和問題解決のための施策といたしまして昭和37年に設定されまして,平成元年に最高額を800円から5000円に改定をいたしたところでございます。現在の状況では滞納が生じておりますので,これを解決することが行政的な手順として非常に大事なことであると担当の者が申しておりまして,ただいま法的措置も含めて滞納整理をやっておるような状況がございます。本市の今後の同和対策推進会議常任委員会で対応をいろいろ検討いたしておりますが,私自身といたしましても,この5000円という保育料は一般保育料の状況に比べてどうも適切でないと感じておるわけでございまして,長年の問題につきましてもひとつもっと積極的に,今北九州市の一般保育料の2分の1というお話も承りましたので,参考にしながらいろいろ運動体とも積極的に話をしてまいりたいと考えております。 先般,三条地区と崇仁地区を見てまいりましたが,私が市長に就任いたしました翌年の平成2年の1月に,錦林地区と崇仁地区を見てまいりました。これは主に案内する職員がハードの面しか見せてくれなかったような経過がありましたので,ひとつ地域内を歩いて生活の実態も見たいし話もしたいという思いで,かねがね申しておりましたところ,地対財特法が昨年の3月末に改正された経緯もございまして,また運動体からも慫慂もございましたので,先般行ってまいりました。雨の降る日でございましたけれども,三条地区は三条地区なりに,また崇仁地区は崇仁地区なりにやはり違った状況にあって,今後の同和施策を進めていくうえで非常に意味のある経験をさせていただきました。 21世紀に向けてのビジョンの策定でございますが,今朝ほども西脇議員の御質問に対して,私の4年間の経験を述べさせていただきましたが,京都のまちづくりにつきましてはですね,一つは健康都市構想,もう一つは土地利用,景観問題を中心にしたまちづくり,またもう一つは新基本計画の中で京都のまちづくりを基本的に考えていく。特に今豊かな暮らしを望む市民の要求にこたえるために,また京都の持っております53年の世界文化自由都市宣言の永遠に文化を創造し発展させるまちを造っていこうという状況の中で,来年は建都1200年を迎えるわけでございますので,その数多くの建都1200年事業を今計画して実現に向けて努力いたしておるところでございます。 西脇議員も小林議員も,普通の事業の中に冠を付けただけではないかという御意見を伺いましたけれども,私どもは決してそういうふうには思っておらぬのでございまして,100年前の事業が当時の京都に必要なものを私たちの先人が努力してつくられた。私たちも今京都のまちづくりを進めて,更に新しい京都の自主的な再生力,活力を付けていくために必要な事業を今やっておるということでございますので,そういう新基本計画を立て,更に新しい基本構想を立てる中で,21世紀に対して我々がしっかりした力で21世紀に足を付けるような,そういう取組を今後ともしていきたい。特に京都のまちづくりの仕組みについては,先般のWHOの学会におきましても,一つの国際的な評価を得まして,アメリカ,ロサンゼルス,あるいはリバプールのヨーロッパにおけるWHOの学会に是非発表して欲しいという状況にもあるわけでございます。 御指摘のように,世界的な視野に立って京都の新しい都市構想を立てるということは私も同感でございますので,先生の御意見も十分に尊重しながら世界の英知を集めた世界の中の京都,京都が世界に羽ばたくような構想を立てさせていただきたいと思っております。 それからこの基本構想でございますけれども,今もお話にございましたように昭和58年に策定されまして,今日まで10年経過いたしました。これは53年の世界文化自由都市宣言の思想が基本になっておるわけでございますから,京都が生き生きとした生命力を絶えず世界に向けて発信するような,そういう文化の薫り高いまちにして欲しい,なって欲しいという願いがあるものでございまして,我々もその構想に基づきました事業を60年の基本計画に基づきまして今日まで事業を進めてきたわけでございますけれども,今日の社会情勢の大きな変化は,やはり新しい事業への取組を私どもに要請してまいりました。私どもは,それにこたえて今新基本計画を策定しながら,人を大事にするまちづくり,また地域的な保全と調和のとれた再生と創造の地域的なまちづくりを明確にし,更に文化を創造するまちづくり,また京都と京都市都市圏という新しい構想に基づきます広いグローバルな考え方に基づいた地域の中での京都を発展させていこうという理想に燃えておるわけでございますので,今後一層のこの問題につきましての御理解と御支援をお願いするところでございます。 行政がもっとリーダーシップを発揮して,自己改革を行って建都1200年事業を行うべきであるという御指摘でございます。私どもは,今私どもが考えております建都1200年に関係いたします事業は,他の都市に比べて遜色のあるものではないと思っております。特に先ほど申し上げましたけれども,建都1200年の事業,例えば地下鉄の東西線でございますとか,あるいは梅小路公園,勧業館の建て替え,あるいは新しいコンサートホールにいたしましても,今日の京都市に必要なものである。絶対に必要なものであるという自覚に基づいてやっておるわけでございます。またソフトな事業につきましても,京都らしさ,あるいは市民参加,あるいは継続性という願いを込めてやっておるわけでございます。私は,議会の皆さん方に是非建都1200年事業につきまして,更に一層の御支援をお願いいたしておるようなわけでございます。ただ,この建都1200年事業というのは,京都の更なる発展のためにやる事業でございますけれども,これと加えてまちづくりが進行しなければいけない。このためには市民の皆さん方の大変な御協力をいただくわけでございます。例えば健康都市構想の御審議の中でも,市民の代表の方々の御意見を聴いたり,あるいは市民会議という組織の中で市民の方々の自主的なまちづくりを起こしていただくこともお願いいたしました。あるいは新都市構想の審議会におきましても,議会の皆さん方に代表として御参加いただいたり,市民の方々に御協力をいただいて,今まさにそれが実を結ぼうとやっておるわけでございます。確かに御指摘の,行政がリーダーシップをとっていくということは,申されるまでもなく基本的に大事なことと心得ておりますので,今後とも職員を戒めて努力していきたいと考えております。 それから高齢者福祉の充実でございます。これは御存じのように本市の高齢化の状況は,他の政令都市の中でも最も上位にランクされる状況でございまして,既に本市におきましては高齢者福祉長・中期的計画という状況で対応してまいりましたけれども,今日ではもはやそれでは対応し切れないような状況と,更に将来の超高齢社会に対する対応が必要になってまいりました。そういう状況の中で,高齢化時代の新しい健康観の変化も踏まえて高齢者に生き生きと長生きしてもらうような,そういうことが必要になってまいりました。そのためには健康都市構想でございますとか,あるいは昨年策定いたしました高齢社会対策推進計画に基づいて,これから具体的に対応を進めていきたいと考えておるわけでございます。 老人の対応の仕方につきましては,老人というのは,一つは生理的には歳をとってまいりますと,老化がどなたでも進んでまいります。つまり老化の状況に見合った各ステージの施設をそれぞれ造っていくことが必要になるわけでございますが,特に今日ではケアハウスというふうな生活レベルの落ちた人に対する対応もやっておるわけでございます。今後も積極的にやっていきたいと考えております。 ねんりんピック’93でございますけれども,本年の10月に開催することになりまして,西京極運動総合公園におきまして入場式を行うわけでございますが,いろんなスポーツをはじめいろんな行事がありますけれども,やはり老人とその他の年齢層の触れ合いということも非常に大事でございますし,あるいは京都らしさを体感していただくということも必要でございますので,怠りのないように十分対応していきたいと考えております。 ごみの減量化対策でございますけれども,これはやはりごみの排出量を少なくするということと,リサイクルによって総量を少なくしていくということが一番基本的なことでございますので,法律の変更に伴います新しい条例につきましても御検討いただく予定にいたしております。また行政と事業者と市民が一体になって進めることが大事でございますし,更に啓発の問題ですとか廃棄物減量等推進審議会,その他廃棄物減量等推進委員の設置,大規模事業所に対する減量指導などにつきまして,これから進めていきたいと思っております。 和風迎賓館は,今御指摘のように自由民主党の国会議員の皆さん方が一昨年から和風迎賓館建設促進議員連盟という組織を作っていただきました。京都に和風迎賓館を造ろうと,こういう熱意が実りまして,5年度国家予算案に建設基本構想検討経費が計上されました。この建設基本構想の検討委員会には,薦田助役がメンバーとして参加いたしておるわけでございますが,今どこへ,どういうふうなスケールのものを造っていくかというところを目指して,まだそこまでいっていないんでございますが,いろいろ議論されております。私どもは,基本的にこの和風迎賓館が京都の自然的あるいは歴史的風土の中で,外国の賓客に京都の生活体験をしていただきますことは非常にありがたいことでございますし,また京都からの特有の文化の発信にも大きくつながると。ただし今後は,私ども京都市に対しても,京都に和風迎賓館ができるために,それ相応の責任という問題が出てくると考えております。その際には十分検討して積極的に対応していきたいと考えております。以上です。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 ◎助役(薦田守弘君) まず同和行政についてでございます。最初にいわゆる職免についてでありますが,本市では,昭和58年の12月に交渉,助成,職免,いわゆる3項目の在り方について運動団体に提起し,一定の成果は上げてまいりました。その後の取組の不十分さ等により,同和問題にとって極めて好ましくない状況ができてきた,こういう認識に立ちまして,平成2年3月に本市の考え方を取りまとめまして,今後の方策として運動団体に提示したものでございます。 御指摘の職免は,同和行政を推進するための行政との協議,調整あるいは住民の学習,社会的経験の拡大,こういった同和問題の解決にとって役に立つと認められる場合に限って一定の基準を作って承認しているものでございます。その件数は,平成元年度は約5300件でありましたが,平成3年度2200件と大幅に減少いたしております。 また交渉につきましては,行政の考え方を説明し意見交換を行う場として,今後の方策の趣旨にのっとって実施しておりまして,回数や時間については大きく是正,改善されてきているものと考えております。 また助成につきましても,要綱に基づきまして個々の事業についてその都度内容,人数等を確認いたしますなど,実態に即した執行をいたしております。カンパにつきましては,従来の範囲を狭めて対象を管理職に限定するなどして,今後の方策の趣旨を踏まえて行われているところでございます。今後とも基本的に今後の方策の趣旨を徹底して,その定着に向けて一層努力してまいりたいと考えております。 次に地区施設の共同利用につきましては,各施設の設置目的を踏まえ,同和地区住民の積極的な活用を図ることを基本にしながら,地区施設が住民相互の結び付きを強め,差別や偏見のない社会を作る拠点になる,そういう考え方の下に段階的に周辺住民との共同利用を進めていく考えでございます。 次に個人給付的事業につきましては,地区住民の自立を促進いたしますとともに,住環境の改善,教育の向上,就労保障など同和問題解決にとってのキーポイントになるという意味合いから,各種の奨学金,支度金等の就学奨励事業,更には住宅資金や産業振興のための融資などを実施しているところでございます。今後とも,これらについては必要な事業であるとは考えておりますが,このうち小学生に貸与しております奨学金につきましては,その世帯の生活実態などから,返還することが困難であると認められる者に対して自立促進援助金を支給し,返還に充てているものがございます。 住宅資金融資につきましては,ほぼ100パーセント,産業振興融資につきましても,ほぼ100パーセントの償還が行われております。また個人給付的事業を含めた各種同和対策事業の推進に当たりましては,市民の理解を得ながら進めていく,これが本当に大事なことであると思っております。市民しんぶんによる広報,啓発,あるいは各種の研修など多様な手法を通じまして,同和対策事業の目的や内容などを市民の皆様に正しく理解,認識していただくように努めますとともに,各種の施策が同和問題の解決のために本当に有効なものになるように常に点検,見直しを図りながら事業の推進をしてまいらなければならないと考えております。 次に市役所新庁舎の建設についてでございます。現在関係局によります市庁舎整備検討委員会を作りまして,新庁舎の建設の候補地,機能,規模など基本的な諸問題につきまして市のまちづくり計画との整合性,あるいは市民の皆様にとっての利便性,財政的な問題など様々な問題がございます。いろいろな観点から慎重に検討を重ねているところでございます。今後,この検討委員会として基本的な考え方を取りまとめたうえで,平成5年度には市会の皆様方の御意見をお伺いし,平成6年の平安建都1200年を目途に新庁舎建設構想を確定すべく取組を進めているところでございます。 次に原谷地域における公的な施設につきましては,当地域を含む衣笠中学校区には,1児童館,2学童保育所を設置いたしております。しかし地理的な状況を勘案いたしますと,現在のところ用地確保のめどが立っておりませんけれども,将来的には何らかの検討が必要であると思っております。 図書館につきましては,利用圏人口の問題があり,当地での建設は困難でございますが,地域の方々への身近な図書館サービスとして,来年度から移動図書館の開設を考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 佐藤助役。 ◎助役(佐藤達三君) 同じく原谷地域の道路整備についてでございますが,市街地と原谷地域を結ぶルートといたしましては,通称氷室道,千束御室線などの三つのルートがございますが,そのいずれも幅員が狭く,線形も悪く,道路整備を行う必要がございます。このため原谷地区にアクセスする幹線道路であります,バス路線でもある氷室道の道路整備を進めておりますが,その進捗状況は約70パーセントでございます。今後,更に工事を進めまして平成7年度の完成を目指して努力してまいります。その他の路線につきましては,氷室道の進捗等を見ながら更に検討してまいります。 ○議長(川中増次郎君) 森脇清掃局長。 ◎清掃局長(森脇史郎君) 新規清掃工場につきましては,現在地元の皆さん方の御協力,御理解を得るために地元代表の市原野ごみ問題対策特別委員会と工場の必要性等について精力的に話合いを続けております。環境アセスメントは,事業の実施に先立ち公害の防止及び自然環境の保全を図るうえで非常に重要でございます。したがいましてその実施について特別委員会と話をし,早急に実施していきたいと考えております。 清掃工場等廃棄物処理施設の将来展望につきましては,長期的な視野に立った施設を確保することによって,将来の経済情勢や生活様式の変化により変動するごみ量に対して適切に処理,処分しなければなりません。したがいまして新規清掃工場の建設や既存工場の延命対策等,御指摘の点を踏まえまして快適な市民生活を守るため,今後とも市民の皆さんの協力を得て廃棄物の処理体制の確立を図ってまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 武居住宅局長。 ◎住宅局長(武居桂君) 改良住宅の空き家状況についてでございます。現在約500戸余りの空き家が生じておりますが,このうち事業継続中の地区におきましては,事業の進捗を図るための受皿としての住宅が必要でございまして,そのために一時的に空き家が生じているものでございます。また事業の最終段階を迎えている地区におきましては,いわゆる地区外への自力移転や改良住宅入居者の転出によります明渡し等により空き家が生じておりますが,これらは改良住宅入居後における世帯内の人員増等の問題解消のために利用している状況がございます。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 山西管理者。 ◎公営企業管理者(山西彌市君) 原谷地区の下水道整備につきましては,平成4年度工事として原谷川の松島橋から弁天池付近まで約31ヘクタールを現在施工中であります。市街化区域の残り約18ヘクタールにつきましては,平成5年度に工事に着手いたしまして,平成6年度内に整備を完了する予定でございます。以上であります。 ○議長(川中増次郎君) 桝本教育長。 ◎教育長(桝本頼兼君) 高校教育についてでございますが,お説のとおり紫野高校英文系への生徒,保護者,市民の方々の大きな関心は,公立高校に寄せる市民の強い期待の現れであると受け止めており,今後決意も新たに京都市立高等学校教育の改革に取り組んでまいります。 次に特色ある学校づくりについてでございますが,子供たちが学校に愛着や誇りを持ち,学校生活で自信や成就観を得ることは教育の根幹でございます。このため特別活動などの充実に取り組んでおりますが,来年度は新たに国語や英語などの教科学習に焦点を当て,創造的に取り組むフロンティアスクールの推進事業に3000万円の予算をお願いしており,本市教育の一層の充実に取り組んでまいります。 小学校での英語教育導入についてでございますが,現行の学習指導要領の下では限界がありますが,これまでの子供国際クラブの取組を基に,小学校での英語教育の可能性について真剣な検討を続けてまいりたい,研究を続けてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 進行いたします。 次に山本正志君に発言を許します。山本君。 〔山本正志議員登壇(拍手)〕 ◆(山本正志君) 私は,日本共産党京都市会議員団を代表して,田邊市長に質問いたします。 今年は田邊市長が就任して4年目,任期の最終の年に当たります。前回の市長選挙は,候補者の乱立の中で激しい対決の選挙となりましたが,このとき候補者調整をめぐる過程で佐川急便の2億円が動いていたことが後になって暴露され,市民を驚かせました。国政の舞台でも東京佐川と暴力団の政権中枢への関与が明らかとなり,また地方政治においても,新潟県知事選挙でも佐川急便の裏金が候補者調整のために流れていたということも明るみに出て,知事の辞任,選挙となったことは御承知のとおりであります。 京都市会も昨年12月,竹下元首相の辞職を求めるとともに,徹底究明すべきとの決議をいたしました。日本の政治の不幸は,政権政党である自民党が金権腐敗に対する反省も主権者である国民に対する責任感も全く欠落させており,財界,大企業が巨大な利益を手に入れることができる構造的体質が長年にわたって築き上げられてきたところにあります。 〔川中議長退席,可児副議長着席〕 ◆(山本正志君) (続)田邊市長は,選挙推薦母体がこのような自民党が中心となった組織であり,その後の市政運営に当たっても政府と自民党の意向に忠実に歩んでこられたのでありますから,市長の基本姿勢も自民党と財界に顔を向けたものでしかなかったのであります。 歴代の自民党政府が,民間活力路線と大企業の経済発展最優先の路線をとったことによって,土地と株式の史上空前の値上がりを引き起こし,京都でも東京マネーと関西財界によるまち壊し,濫開発,自然破壊が一気に押し寄せてきましたけれども,田邊市長はこれに手をかす役割を果たしてきたのであります。そしてその後のバブルの崩壊に伴う深刻な不況の中で,京都市民はこれまでにない厳しい状況に追い込まれています。 昨年8月の政府の経済白書でも,今回の日本経済の減速は経済のバランスを保とうとする動きの下での自律的な調整過程であるとか,日本経済について過度にその困難や不透明さを強調し,悲観的になることは賢明でないと述べています。しかし今回の複合不況と言われる事態が経済白書の言うような生易しい事態でないことは明らかであり,京都の中小企業,伝統産業,観光,地場産業などは,不況の影響を最もかぶりやすく回復は最も後れる業界と言われています。大手の銀行や企業には10兆7000億円の大型補正予算による公共事業の手当てや,今年に入っての一層の低金利政策が打たれ,それなりの利益確保とともに,企業体質の改善という名の厳しい人減らし,下請の切捨てが進められていますが,このことが一層労働者と中小企業,地場産業などを苦しめているのであります。 私ども日本共産党は,不況の対策として根本的な予算の組替えを求めるとともに,こういうときだからこそ中小企業対策や融資制度の改善,官公需の地元中小企業向けの拡大などを求めてきましたが,今回予算を見る限り,市民の期待にこたえるには程遠いものになっています。それとともに,暮らしを支える防波堤としての福祉行政の役割は誠に大きいものがあると思うのですが,生活,福祉面での施策の拡充や国民健康保険料の引下げなどについても,市長の基本姿勢が問われております。 さて来年は平安建都1200年ですが,そのための記念事業と銘打っての大規模な都市整備事業が推進されています。また今後の京都市を展望するという立場から,今般,審議会で策定された新京都市基本計画では,21世紀の京都を目指しての大きな目標と,そのための具体的課題がちりばめられています。しかしこうした京都市の未来像のための大規模な事業計画を見ますと,根本には関西の大手企業や財界などの意向に沿った地域開発計画が据えられており,そのことは経済界からの執拗な注文や提言が繰り返し出されてきたことを見ても明らかです。その反対に市長は,京都の町並みや生活環境を守れ,商店街などの振興と中小企業の活性化のための施策の充実を,という市民の声には実に冷たい対応をしてきたのではなかったでしょうか。市民生活の安定と京都経済を支える中小企業,伝統産業の振興のための京都市政の根本的転換が今こそ求められているのであります。以下,田邊市長の基本姿勢について同僚議員とともにお尋ねいたしてまいります。 質問の第1でありますが,田邊市長は4年前の市長選挙の公約で,市民に開かれた市政を目指すとして,最初の市会での就任挨拶でも,もとより市政運営に当たっては,広く市民の方々の御意見をよく聴き,また議会の皆様ともよく御相談しながら明るい清新な市政の実現に努めることを表明されました。私には,つい昨日のことのようにこの市長のあいさつが思い出されるのですが,実際の田邊市長の態度は市民の参加を避け,自分の立場と違う意見には耳をかそうとしない独善の姿勢が目立ってきた4年間ではなかったでしょうか。 一昨年,策定された公文書公開条例にしても,実際の運用に当たっては最も市民が知りたい情報の公開は進まなかったと言われ,現に行政内部の政策決定には市民も議会もかかわれないことが多いのでありますが,市の各種審議会での議論も,行政側には通じていても市民には非公開というのが実情であります。議会に対する対応にしても,日本共産党に対する市長の姿勢は誠に不正常なものと言わなければなりません。 田邊市長は,これまで毎年行われてきた次年度予算編成に当たっての議会各会派の申入れを,市会第2会派の日本共産党市会議員団に限って面会に応じようとせず,私どもの意向を直接聞いて意見交換しようとしてきませんでした。言うまでもなく予算の編成作業は,市長の権限の中でも最も重大なものであり,市民の税金を預かり,市民生活の安定と公共の福祉の増進を目的とする以上,予算編成とその執行に当たって不偏不党の立場で大多数の市民の合意が得られるように努めるのは,4年前の就任挨拶をまつまでもなく市長の責務であります。例えば東京都では,予算編成作業に当たって知事がすべての会派と会見し,復活折衝での意見交換が行われております。全国に12の政令指定都市がありますが,京都市以外の市長が予算編成や重要問題で差別なく議会各会派と協議を進めているのは,執行機関と議会の正常な関係からしても当然のことであります。国会でも衆議院で16名の日本共産党国会議員団も,歴代総理とは予算編成方針の問題では会見し,意見を伝えてきたことは慣例となっているのであります。民社党の国会議員団でもそうであります。 田邊市長は,市会議員総数の4分の1を占め,前回市会議員選挙でも12万2984票という田邊市長の選挙での得票と大差ない得票を得た日本共産党を避けようとしているのですが,いかに自民党の意向に忠実な市長とはいえ,このような偏狭な姿勢は議会制民主主義と地方自治の精神から言っても正当化できるものではありません。田邊市長だけがこうした特殊な姿勢を取ってきたことを説明できる理由があるとしたらお答えいただきたいのであります。 質問の第2に岩倉一条山の問題でお尋ねいたします。4年前の10月,田邊市長は初仕事として就任早々一条山の全面開発許可を下ろし,山全体を削り取ってしまうことを認めてしまったのでありますが,あなたの基本的立場を市民の前に明らかにしたという点で象徴的な出来事でした。今回,21世紀を目指す京都市の新基本計画でも,山紫水明の自然とうたい,近年,三山等の自然環境が違法開発等により脅かされるという状況を未然に防ぎ自然環境の保全を図ると指摘されていますが,実際に京都市がやってきたことはどういうものであったでしょうか。一条山が今のようなモヒカン刈りの無残な姿をさらすことになったことは,まさに京都市の開発行政にこそ原因があったことを物語っています。 1981年,土地を所有した業者に対して京都市が許可した一条山開発計画は,緑地を自然のままで40パーセント残すという条件付でした。しかしこの業者は,許可条件も地元住民の訴えも無視して一条山全体を削り取ってしまう工事を強行し,ついには緑地は山頂の一部を残すだけという,現在のような状態にまでなってしまったのであります。この過程で,もし京都市が地元住民の訴えに耳を傾けて,法的措置も含めた厳正な指導を貫徹しておれば一条山の悲劇はなかったと悔やまれているのであります。 地元住民は,田邊市長が一条山の全面開発許可を下ろしたことに対して,市長の決定は悪徳業者を喜ばせるもので不当であると訴え,昨年の3月,京都市開発審査会は,市長の開発許可は違法との裁決を下したのであります。しかし田邊市長は,昨年3月の開発審査会の決定に対して,京都市の全面開発の方針が認めらないのは残念,業者には建設大臣への提訴の道もあると業者寄りの発言をしましたが,違法な開発をしてきた業者は,我が意を得たりとばかり建設大臣へ提訴しました。これではあなたに自然環境の保全を口にする資格はありません。こうした住民の訴えと粘り強い努力も無視され,京都の自然環境や町並みの破壊が進んでいる事態こそ,田邊市長の行政責任を鋭く問うものであります。建設大臣の決裁を待つまでもなく,市長が決断すれば一条山の修復と保全は今すぐにできることではありませんか。この際,市長が一条山の保全計画を策定し,その方向で業者を厳しく指導すべきであると考えますが,いかがですかお答えください。 質問の第3は,小倉山の残土処理の問題です。この問題は1982年,当時の国鉄に対して山陰本線トンネル工事の完了後,直ちに残土を撤去して,小倉山を元どおりに戻すことを条件に特例的に京都市所有地の使用を許可したものでありますが,国鉄を引き継いだJR西日本は,再三にわたって残土撤去期限を先延ばしにし,とうとう石ころ一つ運び出そうとはしませんでした。この問題では,1989年に国の京都行政監察事務所も,京都市の買入地の不適切な使用及び買入地における違反行為は古都保存法の趣旨に反すると厳しく指摘しているとおり,まさに違法行為であります。結局JR西日本は,昨年末京都市に3億円の寄付をして,小倉山の残土は放置し植林でごまかそうとしています。田邊市長は,風致地区などの規制の細かい見直しによって,自然環境が脅かされることを未然に防ぎ,自然環境の保全を図ると強調されるのですが,これではつかみ金で巨大企業の違法行為を見逃すものでしかありません。 私は先日,比叡平西側の濫開発の現場を視察してまいりましたが,ここでは業者に対して行政代執行の強力な措置を発動し,あくまで山を元の姿に戻せと迫っているではありませんか。JR西日本のごね得を認めてしまうようなやり方は,到底市民を納得させられるものではありません。JR西日本に対しても,原状復帰させるための強力な指導をすべきだと考えますが,お答えください。 質問の第4は,ポンポン山ゴルフ場予定地の買取り疑惑についてであります。昨年3月,京都市は大阪の業者,池尻興産が西京区のポンポン山でゴルフ場建設を計画したことに対して不許可にいたしました。この不許可決定に対して,池尻興産はゴルフ場ができなくなったことによる80億円の損害補償の調停を裁判所に申請したのでありますが,調停は不調に終わりました。その直後,京都市は裁判所の職権による決定が出たという理由で47億5000万円余りの価格を妥当として,昨年の5月,市会に買取り承認を求める提案をして,与党4会派の賛成によって可決承認されたものであります。 一体この土地は京都市にとって慌てて買収する必要があったのでしょうか。昨年の5月市会での質問に対する助役の答弁でも,この土地の利用方針は白紙の状態で何も決まっていませんでしたが,これほど性急に買取りを決めたのはなぜであったのか,この第一の疑問はいまだに解けないままであります。第2の疑問は,47億5000万円の買収価格をめぐる問題でありますが,この価格決定の根拠とされた鑑定評価には重大な問題があります。すなわち池尻興産の土地取得価格は総額10数億円であり,この点は売手の地元地権者の話から推定できるのでありますが,国土利用計画法の規定により,5000平方メートル以上の土地取引は届出をしなければならず,京都市は取引価格を知っていたのであります。にもかかわらず,京都市の買取価格は,池尻興産が取得した際の10数億円のおよそ3倍の47億5000万円につり上げられたのはなぜか。 問題の鑑定評価書では,本件については,都市近郊林地で生産的林業地でなく,収益性になじまないとしながらも,結果として総額47億5000万円,1平方メートル当たり3520円の買収価格を妥当なものと結論付けています。鑑定評価書は,高槻市の1平方メートル当たり2500円の基準地の地価を持ち出して,これを価格決定の一つの根拠としていますが,この高槻市の事例は,営業中の採石場から300メートルの地点であり,まさに収益性の見込まれる土地であります。これでは収益性になじまないとしている当該地の価格決定の参考にはならないはずであります。 もう一つの事例として,亀岡市東別院町タカラ山の取引価格が挙げられていますが,ここはゴルフ場が許可される見通しの土地であり,実際の売買価格は届出価格の2倍以上であったとのことで,届出価格を低くごまかした事件として国土利用計画法違反で知事に告発されているものであります。こんな届出価格の2倍以上の価格での違法な取引事例を鑑定評価書が採用していることを見ても,鑑定評価書に対する疑惑が一層大きくなるばかりであります。 参考までに当該地と同様の京都市内の別の山林の基準地価は,一昨年の京都府広報によりますと,1平方メートル当たりある地点では305円,もう1か所では1平方メートル当たり250円でありますが,開発不可能な収益性になじまない山林の価格はこの程度のものであろう考えるのがまじめな鑑定評価の在り方ではないでしょうか。意図的に京都市内の山林部分の基準地価を採用せず,つじつま合わせのために作成された鑑定評価書がなぜ採用されたのか。しかもこれほどの多額の土地買収に当たって,なぜ複数の不動産鑑定士に依頼して公平を期そうとしなかったのでしょうか。 第3に,ゴルフ場業者の不可解な動きと資金の流れ,市の公金の流れについての疑問であります。池尻興産といえば,それまでゴルフ場開発の実績を全く持たない業者でしたが,この業者が買い取った135ヘクタールの土地に限って抵当権の設定もしないで,どのようにして総額10数億円の資金を準備できたのか,バックに大きな勢力があったのではないかという疑問と,最初から京都市に数倍の価格で買い取らせることが決まっていたのではないかという疑問もいまだに謎のままであります。 最後に47億5000万円から元手の10数億円を引いた30億円余りは誰の手に渡ったのか,この疑問については,昨年の5月市会での審議の最中,我が党にも大物政治家がいて金が動いているとの通報があったのでありますが,7月の参議院選挙を目前にして,京都市民の税金47億5000万円が流用されることになったのではないかとの疑いがいまだに解明されていないのであります。市長は,京都市の公金をこのようなやり方で支出して,市の財政に損害を与えたことをどう考えておられるのか,自らの責任を明らかにしていただきたいのであります。お答えください。 さて質問の最後は,京都市政の最も不正常な事態,異常な事態と指摘されてきたゆがんだ同和行政の根本的是正の問題であります。市長は,就任後最初の9月市会本会議で,同和問題につきまして私は今日まだ質問に答えるだけの力を持っておりませんと誠に率直な答弁をされておりました。しかし4年たった今,これまでの同和行政をそのままにして是正への責任を投げ出してしまうことは,とりもなおさず部落解放同盟に屈服させられた異常な事態が今後も続くことを意味するのであります。 今市長に問われている選択の道は二つしかないと思うのであります。第1の道は,21世紀に部落差別を持ち越さないという立場で,国民融合の路線に立って,不当な圧力や糾弾を排除し,行政の自主性を確立していく方向であり,第2の道は,部落解放同盟に屈服して利権や糾弾,横暴を許し,同和予算だけは特別扱いとして同和地区住民の行政依存を助長し,新たな逆差別現象を生み出して,部落問題の解決を21世紀の彼方に先送りしてしまう方向であり,すなわち公正で市民合意の同和行政か,部落解放同盟屈服の同和行政かという選択であります。 そこで今回提案されている予算案を見ますと,田邊市長には果たして同和行政の根本的是正を進める気概と能力があるのであろうかとの疑問を抱かざるを得ません。京都市会は,1987年12月と昨年3月の2度にわたって同和行政の是正を求める決議を採択し,歪んだ同和行政をこれ以上続けてはならないと指摘してまいりました。この市会決議では,市長に対して部落解放基本法制定要求実行委員会から脱退すべきであるということ,昨年4月から5年間延長された地対財特法の期限内に同和行政を是正,縮小し,一般行政へ移行していくための年次計画を策定すべきである,との具体的な問題点を挙げて是正,改善を求めております。 しかるに今回提案された来年度予算案では,同和予算は前年度から増額となっており,個人給付施策や同和保育料の是正など何一つ手が付けられていないのはなぜでしょうか。例えば同和保育料は,1989年度にそれまでの月800円から最高で5000円に改定され,その後90年度に7000円,91年度に9000円,92年度に1万700円となる計画が発表されていたにもかかわらず,4年経った今も月5000円のままで,自ら決めた方針を執行できないでいるのであります。この間,一般の保育料は5万円近くになっており,2人預けると6万円を超える負担になっています。 また部落解放同盟の幹部が市の職員でありながら職場に一度も出勤もしない,仕事もしないで給料や役職手当まで支給され,実際には京都の部落解放同盟本部の仕事をしている事態に対しても,私どもは直ちに改善,是正するよう求めてまいりました。この問題について市長は,一昨年3月の市会で,今年度内に服務規律の確保について厳正な対応を期すると答弁されました。しかし結局,平成3年度は部落解放同盟幹部のうち3人については,いわゆる職務専念義務免除扱いとし,市の職員のままで部落解放同盟専従の活動を保障するというものでありました。その結果,いまだに2名の部落解放同盟の幹部が出勤もせず,仕事もしないで給料を支給されているのであります。こうしたやり方は不正常な事態を部落解放同盟との取引によって公式に追認するもので,まさに市長の責任が問われている重大問題であります。 この同和行政の見直し,是正の問題では,ほとんどの関係自治体が延長された地対財特法の5年間の期限内に一般行政へ移行していくための年次計画を確立し,大津市や神戸市でも見直しが進められ,北九州市では先ほどもありました,不正な土地転がし事件の反省を契機に,10年前に242億円あった同和予算が71億円に削減されてきております。中には既に同和行政専門の担当部局を廃止している自治体もありますが,京都市だけが流れに逆らって,展望を失ってしまう道を進んでよいものでしょうか。市長,あなたは同和行政を是正,縮小し,一般行政へ移行していくための年次計画策定を今市会に提案できなかったこと,部落解放基本法制定要求実行委員会から明確に脱退することができない点などについて,これからも部落解放同盟に屈服した姿勢を続け,見直しを放棄する考えであるのか明確な答弁をいただきたい。 以上で私の第一質問を終わります。(拍手) ○副議長(可児達志君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) 山本議員にお答えいたします。 まず日本共産党京都市会議員団の平成5年度京都市予算に対する要望は,従来どおり昨年11月に文書で承りました。市会において率直な意見交換をしたいと思います。(発言する者あり) 一条山の問題でございますが,現在建設大臣が再審査請求について審査を進めておる最中でございます。したがいまして現時点におきまして,修復計画等の策定を行うことは適切でないと考えております。したがいまして審査の推移を見守りたいと考えております。 小倉山の残土処理問題でございますが,できるだけ早く緑の豊かな山容を回復することが一帯の歴史的風土,景観を守っていくうえで重要であると考えております。また復元工事の実施に当たりましては,市民の日常生活や地域の観光などに対する影響も考慮する必要があります。こうした諸事情を十分に検討した結果,市民生活などに与える影響が最も少なく,かつ比較的短い期間内に山容を復元することができる方法を選択したものでありまして,現実に即したものであると考えております。 平成元年の行政監察結果の通知は,現在の状態を違法としたものではなくて周辺の景観と比較して不調和であるので,適切な管理方法について検討するよう求めておるものであります。このことも踏まえまして,早期に小倉山を緑豊かな山並みに戻すために,昨年11月に復元計画を許可したものであります。 また比叡平西側の違法開発は,当初から今日までそのすべてが違法でございまして,小倉山の場合とは全く性質の異なる事案であると考えております。 同和事業の見直しについてでありますが,私が市長就任1年目の平成2年3月に,今後の方策を運動団体に提示しまして,同和行政の過程で生じております諸問題の是正,改善に取り組んできたところであります。今後もその趣旨の一層の徹底に努めてまいります。 個人給付的事業や同和保育料等を含めた今後の同和対策事業の在り方につきましては,現在本市同和対策推進会議常任委員会を中心に検討を進めているところであります。具体的には,同和問題の解決をめざす京都市総合計画案に基づく残事業の年次整備計画を近く発表させていただくとともに,今年4月から市立浴場料金の改定を行い,更に平成5年度予算から改良住宅の建て替え,駐車場スペース整備をはじめ公園整備事業などを一般施策として実施してまいります。またその他の諸施策につきましても,来年度以降の課題として年次的に見直しを実施してまいる所存であります。 ○副議長(可児達志君) 佐藤助役。 ◎助役(佐藤達三君) 西京区大原野におきますゴルフ場計画跡地につきましては,市街地開発が急速に進展しております本市西部地区において,特に自然環境に恵まれた地域でございまして,これを保全しながら自然との触れ合いの場として確保するとともに,地域の振興を図っていく必要があると考えられることから,裁判所の職権による決定で提示された価格を受け入れ,当該計画跡地を買い入れたものでございます。また土地価格につきましては,不動産鑑定士の客観的な評価額の範囲でございまして,適正な価格であると考えております。 ○副議長(可児達志君) 山本正志君。 〔山本正志議員登壇(拍手)〕 ◆(山本正志君) ただ今御答弁いただきました。田邊市長のこの4年間の具体的な問題についてお尋ねしたのですが,全く反省の意思がうかがえないのは残念であります。市民の意見も日本共産党の意見も聞こうとしない京都市政とはどのようなものであったのか既に明らかになってきております。予算要望について文書を受け取ったとして済ませることができるならば,市長自身,国に対して予算要求の際,手紙を送っただけで済ませればよいことであります。 私は,この田邊市長の政治姿勢を見るにつけ,かつて京都府の蜷川虎三知事が,相次ぐ不況の波をかぶって苦労している零細業者に対して,中小企業の経営強化の基礎となる施策の第一は金融対策であるとして,1966年に全国に先駆けて100万円までの担保なし保証人なしの小企業特別金融制度を作ったことを思い出します。 当時,政府系の国民金融公庫の貸出限度額が,この業界に対して10万円までとなっていたことと比べても,まさに画期的な融資制度であります。この融資制度はなぜ生まれたか調べてみますと,蜷川知事が府下各地に出掛けていって,夜に火鉢を囲んでの懇談会の中で出された要望にこたえたものであったということであります。知事や市長の姿勢が違えば,このくらい対応が違うものかと市民からしのばれているわけでありますが,不況の厳しい今こそ,新しい市民本位の京都市政が求められていることを痛感いたします。 私たち日本共産党は,今年8月に迫った京都市長選挙において,市民とともに力を合わせて市民本位の民主市政の実現に向かって奮闘してまいる決意であります。田邊市長の4年間の決算は,やがて市民が下すことになるでありましょう。これで私の質問を終わります。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ○副議長(可児達志君) 暫時休憩いたします。 〔午後2時44分休憩〕 〔午後3時17分再開〕 ○議長(川中増次郎君) 休憩前に引き続き,会議を行います。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 休憩前の議事を継続し,質疑を続行いたします。北山ただお君に発言を許します。北山君。 〔北山ただお議員登壇(拍手)〕 ◆(北山ただお君) 私は,日本共産党京都市会議員団を代表いたしまして,先ほどの山本議員に引き続きまして,市長並びに関係理事者に質問いたします。 第1に,私は深刻になっている不況対策の問題について伺います。今かつての円高不況をはるかにしのぐ戦後最悪の不況が進行いたしております。京都市経済局が行いました平成4年の企業経営実績と今年の見通しについてという特別調査を読みましても,本市中小企業の業績実績は,前年と比較して悪い若しくは非常に悪いという回答企業が全体の63パーセント以上にも達しております。中でも西陣,陶磁器,金属などの各企業は70パーセント以上の企業が悪くなったと回答しているわけであります。まさに大変厳しい実態を示しております。 更にこの平成5年の業績見通しは,4年に比べて悪くなるという回答をされている企業は54.5パーセントにもなっておりますし,今年早々にも回復するという企業は全くございません。我が党議員団は,こうした事態に対しまして調査を行ってまいりました。西陣や友禅,陶磁器,料飲業者,観光業者,機械金属,建設関係,商店街など各層の方々と懇談を重ね,その厳しい営業実態について伺い調査してきたわけであります。ほとんどの方々が仕事が減った,年明けからもう仕事が来ない,問屋が在庫を持たず突然注文が来るなど先行きが極めて不安,機械を購入したが仕事が減って返済もままならない,年末の大売出しにも売上げが伸びず支払もできないなど悲痛な叫びが寄せられているのであります。 これほど厳しい現実があるわけでありますが,京都市の中小企業への不況対策は極めてお粗末なものと言わざるを得ません。バブルがはじけて景気の後退が起こる中で,田邊市長は,厳しい営業実態について直接市民に会って事情調査を行おうともいたしておりません。あなたが会ったのは,京都市の経済界と1回会っただけでありまして,しかも予算の内容がほとんど決まった12月28日のことであります。窮状を訴える商工業者の方々にはいまだに会おうともされていないのであります。なぜあなたは市民に会おうともしないのですか。機敏な実態調査も行われておらず,必要な対策は後手後手に回り,これでは多くの市民が京都市には現場の苦しみが分かっていないと怒りの声が寄せられているのも当然であります。今こそ京都市の充実した不況対策が求められておるわけであります。 不況対策では,日本経済を支える中小業者にこそ手厚い対策が打たれなくてはなりません。京都の中小業者の方々は事業所数で99パーセント以上,従業者数で約79パーセント,そして販売額でも大きなウエイトを占めておりまして,京都経済の中心的な担い手であります。しかも今年は中小企業の保護をうたった中小企業基本法が制定されて30年になるわけでありますが,政府の中小企業対策費を見ると,一般会計に占める比率はどんどん低下しているわけでありまして,93年度の国の予算では,過去最低の1951億円にまでなってしまったわけであります。こうした政府の予算がどんどん後退しているから,緊急の融資枠の拡大をしようとしたり,融資利率の引下げなどしようとしても機敏にできないわけであります。田邊市長がこのような冷たい自民党政治の言いなりになっている限り,結局中小業者切捨ての政治になるのであります。不況の打開のためには,国民の購買力の向上や大幅な減税そして消費税の廃止などが行われなくてはなりません。 不況対策の質問の第1に,私は国民生活を苦しめている消費税問題について伺います。不況に苦しむ市民にとって消費税は廃止以外にはないというのが率直な声であります。ところが田邊市長は,この市民の願いを欺いてきたのであります。市長は選挙公約において,消費税の撤廃を求めると明確に述べられ,京都保険医協会のアンケートにおきましても,消費税は逆進性であり,社会的に弱い立場の人たちの生活を圧迫する,早期に廃止すべきであるとお答えになっているのであります。 しかし田邊市長は,市長に当選してしまいますと,わすが2年3か月で公約を投げ捨てて,ついに消費税を公共料金に上乗せしてしまったのであります。この市長の態度に対して,余りにも無節操,市長としては失格だという市民の大きな批判の声が広がったのは当然のことであります。市長の公約違反は明確であります。私は,政治家の資質にかかわる選挙公約は貫くべきであり,国民の多数が反対する消費税を廃止する立場に今からでも立つべきだと考えるわけでありますが,市長の明快な答弁を求めるものであります。 不況対策の第2には,11月から京都市が行っております経営安定特別融資について薦田助役にお尋ねいたします。この緊急融資の総枠は,京都市では50億円で組まれたわけでありますが,この利用状況が1月末現在で申込みが811件,109億円余りとなっております。これほど市民の要望が強いわけでありますから,この融資総枠を拡大し,期間も延長して市民の期待に十分こたえることを強く求めるものでありますがいかがですか。 不況対策の第3に,現行の融資制度の無担保無保証人融資制度についてであります。京都市は,この2月1日より18年ぶりに貸付限度額を現行の300万円から450万円に引き上げられましたが,遅きに失したとはいえ,長年の市民要望にこたえたものであり,当然のことであります。しかし既に大阪市では3年前に,名古屋市では5年前から,もう500万円に引き上げられておりますし,そのほかの都市でも限度額の引上げが実施されているわけであります。かつては全国の先進を切って無担保無保証人融資制度を作って中小業者を励ましてきた京都市が,今や最後尾の都市となってしまったわけであります。無担保無保証人融資制度の裏付けとなる法律の一部改正が行われましたし,保険限度額の引上げなども行われております。国の融資制度も500万円から600万円に引き上げられておるわけであります。長引く不況で利用者も大幅に増え,92年12月末現在で前年同月比,件数では177.7パーセント,金額でも179.5パーセントと大幅に増えているわけでありますから,せめて限度額を直ちに1000万円まで引き上げることが必要ではないでしょうか。少なくても国と同じ600万円までは今直ちに引き上げることが必要であります。政府に対して直ちに改善を求め,また京都市としても改善することを求め,薦田助役の決意を伺うものであります。 また先日公定歩合の引下げが行われ,京都市におきましても制度融資の貸付利率が若干引き下げられました。これでも市民の要求にはこたえられるものとはなっておりません。現実に銀行金利が制度融資を下回るケースさえあるのですから,もっと思い切って利率の引下げを行うことが必要でありますがいかがですか。更に現在制度融資を受けていて,今の不況の影響から返済が困難になっている業者の方々には,返済猶予や利子補給などを実施すべきと考えますがいかがですか。 不況対策の第4に,現在,無担保無保証人融資制度の信用保証料は,100万円以下の貸付けの場合2分の1を京都市が補給しております。貸付限度額の引上げもされており,更に同和地区産業振興融資では,京都市が全額負担しているのでありますから,この際,無担保無保証人融資制度の信用保証料を京都市が全額負担することを求めるものであります。他都市でも瀬戸市など保証料の補助を実施している都市が現れているわけでありますから,地場産業と中小業者の多い本市での実施は必要であります。答弁を求めます。 不況で困難を抱えている業者は,融資や仕事の内容,生活資金の貸付け,生活保護の申請や国民健康保険料の減免など,生活全般にわたって緊急対策が求められております。京都市は,昨年4月に経済対策連絡会議を設置して,公共事業の前倒しなどを進めたと言っておりますけれども,この窓口が,行政は縦割りでありますから,行政に対する市民の願いが機敏に対応されておりません。不況対策の総合的な窓口を設けて,市民の切実な声にこたえることが求められております。市長の決断を求めるものであります。 不況対策の第5は,仕事確保についてであります。不況に苦しむ中小業者にとって仕事確保は極めて重要な課題であります。京都市が発注する工事や物品などの発注状況を見てみますと,1980年の契約件数で中小業者への発注率は92.7パーセントもありましたが,11年後の1991年は84.2パーセントと8.5ポイントも減っております。更にちょっとこのパネルを見て欲しいわけですが,しかも大企業への発注額は,この11年間で2倍にもなっているにもかかわらず,中小企業にはわずか1.02倍でしかありません。市長,なぜこんなに中小業者への仕事を減らしているのですか。もし1991年度の契約が1980年の比率で発注されていたならば,中小業者には実に93億円もの仕事が増えているはずであります。直ちに中小業者への発注率を回復させて,仕事を確保させ暮らしを守るべきでありますが決意のほどを伺うものであります。 不況対策の第6に,不況に苦しむ市民にとって固定資産税の負担軽減も切実な願いであります。来年94年度は固定資産税の評価替えに当たっておりまして,最近地価が下がっているとはいいましても高値の下でありまして,市民に大幅な負担が押し付けられようといたしているわけであります。しかも自治省は,各市町村に対して94年度から固定資産税の土地評価額を公示地価の7割に引き上げるよう強く求めております。それに満たない自治体には,その分だけ交付税を減額するとおどかしているのであります。京都市の公示地価に対する比率は約14パーセントでありますから,単純に計算いたしましても5倍になるわけであります。実際理財局が提出しております基準地価等一覧表を見ましても,4倍から7倍にもなる,中には9倍にもなるという所もあるという数値が示されておるのであります。 自治省は緩和措置をとると言っておりますけれども,しかしいずれは税負担が大幅に上昇するわけでありますから,市民の暮らしを直撃することは疑いありません。市民の暮らしと営業を守るために,地価高騰の下での評価額を公示地価の7割に引き上げることをやめるように政府に緊急に要望すること,市民の生活する住居やお商売用地は非課税にするか大幅な軽減を行うことを求めるものであります。また本市独自で実施できる都市計画税の引下げも直ちに行うことが求められております。助役の答弁を求めるものであります。 次は,まちづくりについてであります。今京都のまちは大変な事態になろうといたしております。今京都市の進めております都市計画は,財界のための規制緩和による高層化や高速道路の推進,大型プロジェクトのごり押しでありまして,まさに京都のまち壊しと言わざるを得ません。 まちづくりのまず第1は京都駅問題であります。今回の高層化計画のごり押しについて,京都府都市計画審議会の会長を長く務めておられました米谷京都大学名誉教授が次のように感想を述べられております。京都市長は,コンペでは高さ制限を顧慮することなく設計していただいて,もし制限を超えるものが採用されたならば,そのときは高さ制限を改めると明言したのである。この都市計画を無視してはばからない市長の不勉強に大きく失望を覚えた次第である。本当は認識の甘さどころではなく,都市計画を無視している市当局の態度を苦々しく思っている。コンペの結果に合わせて都市計画を変更するのは,都市計画法の精神に反する。このようにある専門誌で語られておりました。田邊市長,あなたはこの発言をどのように受け止められるのですか。 今回の京都駅計画は,歴史都市京都のまちの将来に重大な影響を与えるものでありますから,我が党は,都市計画審議会の公開や公聴会の開催など市民の声を幅広く採り入れることを求めてまいりましたが,京都市は一切を拒否して計画は強行されてしまったのであります。多くの市民の反対を押し切った京都駅巨大ビル計画は,今からでも撤回すべきであると考えますが,市長の答弁を求めるものであります。 更に不況の深刻な事態で,京都の商工業者が苦しんでいるにもかかわらず,この京都駅ビルは東京資本の伊勢丹の進出が決まっており,これをきっかけとして新たなデパートの出店や,大丸,高島屋など既存の百貨店の増床が進められ,大規模商業施設のラッシュとなっており,中小業者にとってはまさに死活問題の事態になっているわけであります。デパート戦争で京都の商店が壊滅的打撃を受けることは,京都商店街振興組合連合会が実施いたしました京都市内商店街への大型店影響調査によっても明白であります。この調査によりますと,生鮮食料品などの最寄品で3割減少,医療や家庭電気製品などの買回品でも4割近い減少が出るという結果が出ておりますし,北大路商店街や三条小橋商店街地区,新京極や錦市場,淀本町商店街などは,いずれも100パーセントの影響があるとまで示されているのであります。 かつて市長は,大規模店舗小売法が改悪されて大型店のラッシュが叫ばれたとき,こうした事態に対して京都市独自でも条例で対応すると表明されたのであります。ところが自民党の商工筋からクレームを付けられると,途端に態度を一変して事実上発言を撤回し,京都市自らの開発事業に積極的に大規模商業施設を呼び込むまでになってしまったのであります。なぜ市長は,自分の発言に責任を持って京都の商工業者を守ろうとしないのでありますか。大型店に対して京都市独自の規制を設けるなど,京都のまち,京都の商店などの活性化に向けて大きく努力することを強く求めるものであります。答弁を求めます。 まちづくりの第2は,市内の高速道路計画についてお尋ねいたします。2月9日に開かれた京都府都市計画審議会は,京都市内の高速道路計画の4路線を承認いたしました。ところがこの計画に対して出された意見書は,過去最大の1万7000人にも上り,しかもそのほとんどが大気汚染や振動公害等の環境破壊を訴えるものや住民への説明不足,広く市民の声を聴くべしとする事実上計画の撤回を求めるものでありました。 高速道路について住民団体が行った他都市での調査を聞きましても,24時間走り続ける自動車の真っ黒な粉塵,家族の会話も聞き取れない騒音,お年寄りや子供たちが寝られないような振動,交通事故への不安など高速道路が市民生活を大きく破壊していることが示されております。 計画路線の関係住民団体の方が堀川通や西大路通,久世橋通等を中心に南区,下京区,山科区,右京区,中京区,伏見区などで二酸化窒素の簡易測定をここ数年何回も取り組んでおられますが,ほとんどの所で京都市の環境基準を超えているわけであります。京都市が行っております観測でも基準値を超える所が多く,京都市の大気汚染基準をこのまま適用すると高速道路ができないことになるわけであります。そこで京都市は,大幅に緩められた国の基準を採用し,更に沿線住民の要望である実地測定も行わず,やっとつじつまを合わせて高速道路計画を強行したのであります。しかも高速道路計画の路線の一部を地下化したことにより,高さ35メートルの換気塔が造られ,地下部分を走る車の排気ガスが集中的に吐き出されることになるので,健康が破壊されるという住民不安が大きく広がっているのであります。換気塔は4箇所建設の予定とされていますが,その一つである西大路五条付近は京都市立病院や保育園,住宅などが建ち並び,とても換気塔などが造られる条件にないことは明らかであります。 京都市は,議会答弁で上空で拡散されるので影響はないと述べられていますが,換気塔の環境影響評価も行わず,排気ガスの浄化方法の具体化も示すことなく,計画だけをごり押しするのでは市民の納得を得られないことは明らかではありませんか。こんな環境破壊の高速道路を強行する市長に,健康都市などを語る資格はありません。 先日,京都市議会の道路・交通網整備対策特別委員会が行いました広島市での調査におきましても,着工しても住民合意が得られず,20年間も工事がストップしている所がありました。市民合意のない無謀な計画は結局破綻せざるを得ないというのが率直な感想であります。しかも高速道路建設に伴う用地の買収には2000億円も掛かり,京都市がその半分の1000億円負担しなくてはならないことが明らかになり,財政的にも大変な負担が市民に押し付けられようといたしております。田邊市長,未来に悔いを残されないために,市民の健康を守り,京都のまち破壊を許さないためにも高速道路計画は直ちに撤回すべきでありますが,いかがでありますか。今こそ高速道路のごり押しではなく,第二久世橋や小枝橋,久我橋など生活道路の改善にこそ力を入れるべきでありますが,市長の明快な答弁を求めるものであります。 次に既に決定されております新十条通について伺います。山科区と市内中心部を結ぶ新十条通は,本来生活道路として計画され,交通渋滞に苦しむ山科区民期待の道路であります。我が党は,住民生活を改善する生活道路は一日も早く建設することを求めて,かねてより要求してきたところであります。ところが京都市は建設する財源不足を口実に,新十条通を無理やり高速道路計画に組み込み,一括して事業化しようといたしております。期待される生活道路が高速道路と一緒でないと建設されないということになれば,新十条通の早期建設を阻害しているのは京都市自らの責任ということになるではありませんか。私は,高速道路計画は撤回し,新十条通を一般道路として必要な財源確保に努力し,住民合意の下に建設すべきと思いますが,佐藤助役の答弁を求めるものであります。 最後に山科駅前再開発事業についてお尋ねいたします。この事業は,山科駅前を京都の東の玄関口として,住んでおられる住民の生活向上と営業の活性化を目指してのまちづくりであります。ところが近年,バブルの崩壊に始まった不況の進行,土地価格の低迷などによって全国的に再開発事業が困難な事態になっており,山科駅前も同様の傾向であります。そこでまず山科駅前再開発事業の現状と今後の見通しについて,どのように考えているのか佐藤助役にお尋ねいたします。 次に暗礁に乗り上げているキーテナント問題であります。全国的に深まる不況や再開発事業の行き詰まりなどによりまして,百貨店などの再開発事業からの徹底が相次いでいることは既に報道されているとおりでありますが,今回この山科駅前再開発事業でキーテナントが定まらないのは,京都駅に大百貨店を導入している京都市自らの責任であると言わざるを得ません。京都の商店や零細業者に多大な打撃を与える京都駅高層化計画を強行したことが,地域のまちづくり計画を困難なものにしてしまったのでありますから,京都市の責任,とりわけその先頭に立った市長の責任は極めて重大であります。 私は,山科駅前のまちづくりを進めていくためには,キーテナントに固執することなく文化施設や体育館,デイサービスセンターなど公共施設を充実させることなどを中心に検討するように強く求めるものであります。 更にこの再開発事業は,地元住民が営業を続け,安心して住み続けられるものでなくてはならないことは明らかでありまして,従来より竹澤計画局長は,今まで御商売されていた方が,これからも御商売を続けられるようにしていくことが基本ですと議会でも答えられてきたわけであります。しかし現在のままで再開発ビルが建設されましても,引き続いて入居し営業ができる方は少数にならざるを得ない見通しであります。それは現在の床の評価でビルに入ろうとしても今までよりも狭くなり,しかも設備投資や改装費,ビル管理費など多大な負担があるからであります。山科駅前再開発事業を真に住民の期待にこたえる事業にするために,事業のしわ寄せを住民に押し付けることなく,京都市が最後まで責任を持つことが求められております。佐藤助役の責任ある答弁を求めまして,私の第一質問を終わります。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) 北山議員の質問に答えます。 まず消費税の問題でございますが,消費税法の一部改正につきまして,国会において平成3年5月に全党一致で成立した経過がございます。 次に不況対策の相談窓口につきましては,昨年9月1日から中小企業指導所の経営相談特別窓口において,経営改善や融資の斡旋などの相談に応じてきております。またその他の相談につきましても,それぞれの所管の窓口におきまして対応しておるところでございまして,今後とも適切に対応いたしてまいります。 発注方法の工夫による可能な限りの中小企業の受注機会の確保を今後とも進めていきたいと考えております。市が発注する工事や物品などの中小業者への発注率につきましては,ただ今昭和55年度と平成3年度の数字を挙げて御説明なさいましたけれども,確かにその年度はそうでございますが,全体といたしますと,やはり年次によって凸凹いたしておる状況がございます。これまで物品などの買入れや工事の請負などの契約に当たりましては,可能な限り中小企業への発注に努めてまいったところでございまして,平成3年度に本市が中小企業と締結した契約は件数で84.2パーセント,金額で71.6パーセントなどと,国などの平成3年度中小企業向け契約目標39.8パーセントを大きく上回る結果となっております。今日,中小企業を取り巻きます環境は厳しいものがありますが,今後とも共同企業体方式に有効に作用するとともに,可能な限り分離分割による発注をするなど,中小企業の受注機会の拡大に努めてまいりたいと考えております。 京都駅の改築につきましては,都市計画法に基づく縦覧によって市民の皆さん方の意見をいただき,京都市及び京都府の都市計画審議会で熱心な討議を経て,昨年12月に決定の告示を行ったところでございます。改築される京都駅ビルは,21世紀を展望する複合機能型ターミナルであると同時に,新しい都市景観を創造するものであると考えております。今後とも所定の手続を適正に進め,早期の実現化を図っていきたいと考えております。 なお京都大学の米谷名誉教授の御意見をただ今の発言の中で拝聴いたしました。私もここに米谷先生の原著を持っておりますけれども,拝見いたしますと,都市計画決定と京都駅のコンペとの関係について強く意見を述べられておるわけでございますが,京都市の行いました都市審議会におきましては,共産党側の議員の先生方が出られております委員としての発言には反対の意見がございましたけれども,都市計画の専門家を含めてその他の委員の方は大体賛成であったと受け止めております。 次に商業振興でございますが,私は,かねてからこの京都で長年営業を続けてこられました小規模の小売店を守って,発展させなければならないという強い決意を持っております。大店法の改正以来,大型店の出店計画が相次ぎ,厳しい経営環境が続きますが,本市といたしましては,健康都市構想及び新京都市基本計画において商店街を重要な都市施設として位置付けております。ハード,ソフト両面にわたりましてその振興に努めていきたいと考えております。 京都市の高速道路につきましては,慢性的な交通混雑の解消や都市の活性化を図り,21世紀に向けた京都の発展を目指すうえで不可欠なものであると考えております。本市といたしましては,環境対策などにも十分配慮しながら本道路の整備促進に向け,今後とも不退転の決意で取り組んでまいる所存であります。また第二久世橋をはじめとする都市計画道路につきましても,引き続き整備促進に努めてまいります。以上です。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 ◎助役(薦田守弘君) まず中小企業対策の経営安定特別融資についてでありますが,50億円の目標で本年度3月末までを対象期間として実施いたしております。申込みは予想を上回る状況にありますが,融資枠の確保については,他の制度の融資枠の活用を図ってまいる考えであります。また実施期間の延長につきましては,景気の動向あるいは今後の申込み状況の推移等を見て,そのうえで判断してまいります。 次に無担保無保証人融資の限度額につきましては,国,府,信用保証協会との協議を経て,この2月1日に450万円に引き上げたところでございます。したがいまして現在のところ限度額の再改定を行う考えはございません。また信用保証料の市負担につきましても,本来は借入者が負担すべき性格のものでございまして,その補給を拡大することは考えておりません。 次に制度融資の利率の更に引下げということにつきましては,長期プライムレート及び公定歩合などの市中金利の動向を見ながら機動的に実施しているものでございまして,今後とも効果的な不況対策になるように対応してまいりたいと考えております。また利子補給につきましては,もともと融資利率を低利に設定しており,実施する考えはございませんが,融資の返済猶予ということにつきましては,個々の経営実態に応じて相談してまいる,そういうことでございます。 次に平成6年度の固定資産税の評価替えについてであります。土地の評価額は地価公示価格の7割程度とすることとされておりますが,その趣旨は,従来土地の評価が分かりにくいとか,あるいは地域によって不均衡があるという批判があり,こういう批判を解消するために公的な土地評価の一元化を図り,土地の評価の均衡化,適正化を図ろうというものでございます。いずれにいたしましても,市民の皆様の税負担が急激に増大するようなことのないように,総合的かつ適切な措置が講じられるように,かねて他の指定都市とも共同して国に働き掛けをしてまいったところでございます。 先般,発表になりました国の方の平成5年度税制改正案では,住宅用地に係る特例措置の拡充や税負担がよりなだらかになるような負担調整措置の実施などのほか,特に評価の上昇割合の高い宅地につきましては,新しい特例措置が盛り込まれるなど,大幅な税負担の緩和が図られる予定になっております。御要望の住居や事業用地に対する非課税とか更なる軽減措置ということにつきましては,固定資産税は,もともと資産価値に応じて公平な負担を求める税金でありますので,そういう税の性格から非常に困難でございます。 次に都市計画税につきましては,下水道,道路,公園整備など本市でこれからますます経費の増が見込まれる都市計画事業を推進していくうえで貴重な財源でございます。本市の財政状況から,この税率を引き下げることは困難でございます。以上であります。 ○議長(川中増次郎君) 佐藤助役。 ◎助役(佐藤達三君) 次に新十条通についてでございますが,その早期整備は京都市民,とりわけ山科醍醐地域の住民の皆さんにとりましては,長年にわたる大きな悲願となっておりまして,本市といたしましては,こうした住民の皆さんの強い御要望にこたえるためにも,限られた財源の中で一刻も早い完成を図ることができる有料道路制度を積極的に活用し,本道路を整備してまいる所存でございます。本道路につきましては,平成5年度の政府予算案におきまして,阪神高速道路公団を事業主体として着工準備費が計上されており,今後とも事業主体と連携を図りながら全力を挙げて早期完成を目指してまいりたいと考えております。 次に山科駅前市街地再開発事業につきましては,京都市の東の玄関口にふさわしい駅前広場や駅前通りなどの公共施設の整備を行うとともに,商業,住宅,業務機能を拡充整備する本市の重要なプロジェクトの一つでございます。本年6月に権利変換を行うべく現在作業を進めているところでございまして,今後地上物件の除却を行い,併せて施設建築物の工事に取り掛かってまいる予定でございます。商業施設などのキーテナントを選定することは,事業の重要な成立条件であり,地元の皆さん方からも強く望まれているところでございます。経済情勢の低迷などの背景もございますが,施行者である本市といたしましては,キーテナントの早期決定に向けて全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。 ○議長(川中増次郎君) 北山君。 〔北山ただお議員登壇(拍手)〕 ◆(北山ただお君) ただ今市長並びに助役に答弁いただきましたけれども,極めて不十分な内容でありまして,本当に今の市政が市民の方向には全く向いていない,大企業言いなり,自民党言いなりの市政になっているということを改めて痛感いたした次第でございます。私が質疑した内容につきましては,後ほど行われます予算特別委員会におきまして,同僚議員とともに質疑を行う予定であります。 ただ市長に申し上げたいことは,先ほど公共事業の発注率の問題を言いました。私これパネルで示しましたが,絶対額がこの間,大企業にだけ2倍になっているんです。中小企業にはほとんど増えていないというのが実態で,このパネルを作って示したわけです。そういうことでありますから,中小業者の方々に本当に深刻な実態を回復するためには,京都市の公共事業が中小業者にもっと多大に図られなくてはならないということを私は言ったわけでありまして,市長の改善を強く求めるものであります。 もう1点は,高速道路計画についてでありまして,先ほど答弁では環境対策には十分配慮しているということでありました。しかし私は具体的に西大路五条の換気塔が大変多くの市民の健康破壊をもたらすものだということで,具体的に尋ねたわけでありますが,環境対策に配慮という一言だけでは到底納得できるものではございません。 このことにつきまして,京都市内に住んでおられます元気象庁大気汚染気象センター所長の岡林さんという方が,京都のような盆地では拡散は余り期待できない。換気塔は集合煙突と同じようなもので,大気汚染が進む可能性がある。このように専門家まで語っているわけであります。このような健康破壊をもたらす高速道路計画を直ちに断念することを強く求めるものであります。私の質問を終わります。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 進行いたします。 次に河上洋子君に発言を許します。河上君。 〔河上洋子議員登壇(拍手)〕 ◆(河上洋子君) 上京区選出の河上洋子です。私は,日本共産党京都市会議員団を代表いたしまして,山本,北山議員に続いて市長並びに関係理事者に質問いたします。 市長,あなたは4年前の市長選挙の際,いかに苦しい財政状況でも,医療,福祉,健康を優先する。また京都こそ最も進んだ高齢化社会の福祉環境を備えなければならないと公約されました。その後,健康都市構想,高齢者や障害者対策など構想は華々しく打ち上げられましたが,具体的なその年次計画や予算の裏付けは何ら明らかではありません。その結果,他都市と比べれば高齢者施策の多くが全国政令都市の中でも後ろから数えた方が早く,特別養護老人ホームに入れない待機者は,京都市内ではこの3年半で一気に4倍,1100人にも膨れ上がるなど,およそ最も進んだ高齢化社会の福祉環境とは程遠くかけ離れた状況と言わざるを得ません。 新年度の予算案は,それを一層浮き彫りにしています。国保料の値下げはしない,特養老人ホームはわずか1箇所の新設だけで160床増えるだけ,待たれている第2児童福祉センターの建設予算は見送りなど,医療や福祉,健康を優先したものとはとても言えません。これでは健康都市とは名ばかりで,市民の期待を裏切るものでしかないでしょう。 また不況のときこそ市民の暮らしを守る砦として福祉の一層の充実が必要です。首切り,賃金カットは言うに及ばず,志望高校を私立から公立に変更した中学生,バス通学を自転車通学に変えた高校生,内定していた就職を取り消された大学生,パート先を首になった女性など,この不況のあおりは市民生活のあらゆる分野に様々な形で及んでいます。家族に病人が出たら何をさておいても治療するのと同様に,社会的な経済災害とも言える去年からの不況で暮らしが成り立たなくなった市民のために,福祉や暮らし優先の予算措置が当然なされるべきですが,残念ながら今回の予算案は,市民のその期待にこたえるものにはなっておりません。 そこでまず国民健康保険料の値下げについてお尋ねします。月々20万円そこそこの収入しかないのに4万円以上も国保料を払うと,もう生活ができないという悲鳴のような市民の声は当然であり,切実です。私ども日本共産党市会議員団は,市長に対し繰り返し高過ぎる国保料の値下げを行うよう求めてまいりましたが,いまだもって市長は市民の声に耳を傾けず,値下げはしないという態度に終始しておられます。 そもそも国保料が高過ぎる最大の原因は,国庫補助を大幅に削ってきた国の責任ですが,問題は京都市の態度です。国から求められてもいないのに医療費抑制や保険料の徴収率アップ,滞納者への保険証の未交付を盛り込んだ国保安定化計画を自主的に策定するなど,国に対する弱腰の態度をとり続けておられます。 本市の国保料滞納世帯のうち,年所得300万円未満の世帯が件数の3分の2,滞納金額の実に9割を占めている事実を見れば,食えば払えず払えば食えずと言われるように,まじめに働いて保険料を払おうと思っても,高過ぎて追い付かない実態が明らかです。 この2年,平均保険料が据え置かれても,なお滞納世帯は増えているのです。据え置くだけでは市民の苦しみは解決しないことも明らかです。更に国保加入者の多くが不況の影響をまともに受けている中小零細業者や低所得者であることを考えるならば,今こそ国保料の値下げは待たれていると言えるでしょう。 昨年度,国保料値下げを行った自治体は,全国440市町村にも広がりました。やる気があれば値下げはできるというのが全国的な流れです。本市では,これまで赤字を理由に値下げを拒否してこられましたが,91年度で累積45億円もの黒字ではありませんか。直ちに値下げをすべきです。1世帯当たり1万円の引下げは17億円,加入者1人当たり1万円の引下げは35億円あればできます。多くの国保加入者が10年余りで2倍にも値上げされた保険料を苦しみながら払ってきたうえでのこの黒字は,値下げという形で市民に還元すべきです。 沖縄市では,昨年の市長選挙で自民党市長から革新市長に変わった途端,国保料の値下げが行われました。市民から喜ばれたのはもちろんですが,驚きの声も上がりました。やり気があればできたのだと。田邊市長,財源はあります。市民も待ち望んでいます。その気になればできる国保料の値下げをあなたが決断なさるかどうか市民は注目しています。決意をお聞かせください。 また今回,給付改善として葬祭費を3万円から5万円にするとのことですが,これとて今まで政令都市の中で長年最低金額であったものの改善にすぎず,これをもって市民への黒字の還元だなどとお茶を濁すのであればもってのほかです。名古屋市では,給付改善として以前から8割給付を実施し,被保険者は病院の窓口で医療費の2割を払うだけで済みます。給付改善を言うなら,本市でも市民が望む8割給付こそ実施すべきではありませんか。 併せて保険証切替え時期に入っている今,不況の波をかぶっている加入者の実情をよくつかんで,保険料が払えないことを理由に機械的に保険証の更新をしないとか,短期保険証を発行することなどが生じないよう十分配慮されるよう強く求めるものです。民生局長の答弁を求めます。 次に不況の下での暮らしの対策として4点お尋ねします。まず従来,夏と歳末の年2回貸し付けされている駆込み資金を一時的にでもこの不況対策として,いつでも借りられる制度に拡充されるよう求めます。 また日ごろから不安定な運営と自立するには程遠い収入を余儀なくされているそのうえに,今不況の波を受けて仕事や製品の注文が激減している障害者の授産施設や共同作業所への助成の拡充を求めます。障害を持つ方たちの手づくり製品を京都市が行う起工式や竣工式などの記念品として活用すること,授産振興センターを設置することにつきましては,我が党は昨年から市長に求めてまいりましたが,更に庁内各局からの仕事を発注するなどして共同作業所,授産所の運営を支えることが必要です。川崎市では,民生局長自ら庁内全部局に対して封筒詰めなどの仕事の発注を呼び掛けています。これは不況対策と同時に障害を持つ市民の社会参加の保障ともなり,障害者問題への市民の理解を深める機会ともなるものです。本市でも早急に実施すべきです。以上2点,民生局長の答弁を求めます。 不況対策3点目はパート労働者の問題です。この不況で合理化の名目で真っ先に首を切られたのは女性パート労働者でした。企業の重要な労働力として日本経済を支える役割を果たしながらも,安上がりな雇用の調整弁として専ら企業の都合で使い捨てにされ,退職金となると制度そのものがない事業所は9割近くに上ります。特に不況の今,いつ解雇されるかも分からない不安定な中で,せめて退職金の保障だけでも改善すべきではないでしょうか。 政府労働省は,単独では退職金制度を持つのが困難な中小企業でも,退職金を保障できるようにと中小企業退職金共済制度を設け,京都市内でも9000の事業所が加入しています。これはパート労働者の退職金を保障する唯一の制度です。この制度では,事業所が負担する掛金を地方自治体で補助することができ,現在全国270の県,市町村が実施し,新年度20近くの自治体での導入が検討されています。本市でも,この補助制度を導入すれば,今不況の荒波の中で退職金制度を維持して頑張っている9000の中小企業にとって大きな援助になります。と同時に,更に多くの中小企業での退職金制度導入への奨励にもなり,何より不況,首切りの不安の中で働いている労働者,とりわけパート労働者にとって大きな支えとなるでしょう。是非とも実施すべきと考えますがいかがでしょうか,市長の答弁を求めます。 不況問題の最後に西陣織の国外生産についてお尋ねします。中国をはじめとする国外での西陣織生産の規制について,田邊市長は,伝統産品の国外生産は好ましくないと言いながらも,京都市として国外流出を止める強制力はない,行政指導もできないと何ら努力する姿勢をお見せになりません。 奄美大島は西陣同様,和装品大島紬の伝統産地ですが,伝統地場産業を守り,育てる点では,本市に比べ,ここでは格段の意欲を持って行政が取り組んでおられます。南朝鮮産紬の逆輸入を取り締まるため,行政が先頭に立って輸入ルートである沖縄の米軍基地にまで申入れに出向いたり,国外で生産した企業に対しては即刻産地組合を除名し,商品への証紙を交付しないなど,国外生産規制のためのペナルティを妥協せずに課しています。 田邊市長,あなたは京都の西陣織が長引く構造不況,バブル不況に加え国外生産という自殺行為によって500年の伝統を持つ産地存亡の危機に立たされていると認識しておられますか。またそれを黙って見過ごすことができるのですか。このまま手をこまねいているのでなく,今こそ行政がイニシアチブをとって西陣織国外生産の実態調査の実施,企業へのペナルティの検討など,毅然とした対策をとるべきではありませんか,市長の決意を求めます。 次に高齢者福祉についてお尋ねいたします。今本市では,特別養護老人ホーム,そこに併設されるデイサービスやショートステイなど,いずれも市内周辺部に偏っており,高齢者が集中する市内中心部では,上京区にも下京区にも特別養護老人ホームは1箇所もありません。また中京区にはデイサービスセンターが1箇所もありません。長年住み慣れたまちで老後を全うしたいと望んでいるお年寄りや,限界まで在宅で介護に当たっておられる家族の皆さんの頑張りにこたえて,市内中心部での対策を充実させることこそ本市の高齢者対策の緊急の課題ではないでしょうか。特別養護老人ホームができれば,デイサービスやショートステイなども利用でき,在宅高齢者にとって住み慣れた所で人生を中断させることなく老後を送ることができます。高齢者施策の中核拠点施設である特別養護老人ホームを一日も早く上京区,下京区に建設されるよう求めるものです。 またデイサービスセンターの設置については,国の方針でも中学校区に一つ程度をめどとされていますが,本市では,現在まだ15箇所と大きく後れています。身近に通えてお年寄りからも家族からも喜ばれ,しかも在宅ケアに大きな効果を上げているデイサービスは,例えば川崎市や横浜市では,まちの銭湯なども活用して実施されています。国の基準にとらわれることなく,工夫すれば京都市でももっと多様にできるはずです。現に既に医療機関などで自力でデイサービスを取り組み,地域で喜ばれている所もあります。こういう所へも市の補助を行い,歩いて通える身近なデイサービスが多様に実施されるよう求めます。民生局長の答弁を求めます。 乳幼児医療費について,無料化を求めるお母さんたちの運動が実って,やっと今年10月から医療費への助成が実施されることになりました。政令指定都市12のうちの11番目という遅まきながらの出発となったこと自体,市長の反省が求められるべきところです。そのうえ,対象年齢をゼロ歳,1歳に限り,しかも自己負担金200円を徴収するというのはどうしても納得できません。札幌市では6歳未満,仙台市では4歳未満までを対象とし,自己負担などありません。後れて制度をスタートさせる京都市なればこそ,対象年齢の拡大,自己負担なしの完全無料化で子育て世代の期待にこたえるべきではありませんか,市長,お答えください。 次に空き缶再資源化処理施設横大路学園についてお尋ねします。現地では処理し切れない缶の山はストックヤードに収まり切らず,どんどん広がって門の外にまで大きな二つの山と積み上げられています。このまま夏に迎えばどうなることか,毎日精いっぱい作業しても缶は増える一方で,障害者の園生さんたちが働く意欲を失ってしまいそうなのが辛いと職員の皆さんも頭を抱えておられます。 市内全行政区での空き缶分別収集の実施に伴い,その処理の受皿として当然必要である二つ目の再資源化処理施設を計画的に造らなかった市長の責任は重大です。また今回清掃条例が提案されておりますが,全部集めて燃やしてしまう方が安上がりとの発言に見られるように,京都市当局にはごみの減量化,リサイクルに本気で取り組む姿勢は見られません。市当局が市民にも呼び掛け,企業にも応分の負担を求め,増え続けるごみの減量化とリサイクルに本格的に取り組むことなしに,ごみ問題を解決できるはずはないのです。一刻も早く第2の空き缶再資源化処理施設及びリサイクルセンターを建設すべきです。市長の決意を求めます。 最後に学校教育についてお尋ねします。この間,学校教育における問題点を象徴するような出来事が次々と起きています。山形県新庄市立明倫中学校でのマットぐるぐる巻きいじめ死亡事件,兵庫県立神戸高塚高校での女生徒校門圧死事件をめぐる裁判の有罪判決,文部省の業者テスト追放宣言,指導要録の開示を求める保護者の声など,いずれも形は違えども偏差値優先の教育のひずみの中で,もだえ苦しみ,何かに吐け口を求める子供たちや,管理教育の中で身動きのとれない教師の姿,あるいは教育行政に不信を募らせる親の気持ちが噴き出しています。 山形県でのいじめ事件は,母親としても胸のつぶれる思いでしたが,この事件をよそのまちの不幸な出来事として済ませることはできません。京都でも,このような事件がいつ起きても不思議ではないと言える状況が進んでいます。本市の教育委員会91年度のまとめによりますと,いじめは前年に比べて小学校で3倍,中学校で2倍と激増しています。同時に悪質ないたずらや嫌がらせも増えており,特に生命を軽視するような行為,あるいはいじめにつながるような陰湿な行為が増えている点は重大です。問題は本市の場合,いじめられている側からの訴えで初めて発覚するケースが多く,対応が遅れ,問題を長引かせているということです。いじめの早期発見と早期対策は緊急課題です。命にもかかわる問題です。北九州市では,市教委がいじめで困っている人,一人で悩まないでと夜間の電話相談,いじめナイトテレフォンを実施し,昨年度だけで360件の相談に対応しています。本市でも,いじめに関する子供や親の悩みをいち早くキャッチするための改善策が必要です。教育長の答弁を求めます。 次に学校嫌いによる不登校児童はこの5年間,小学生では3倍,中学生では2倍に増えています。市教委の91年度のまとめの中にも,学業不振など学校生活上の問題が大きいと指摘されいるとおり,子供が学校嫌いになる最大の原因は追い付けない授業,分かりたくても分からない勉強であると言われています。私が小学校1年生のとき,1年間に習った文字は127でした。それが現在文部省が掲げている新学習指導要領に沿えば272文字と30年前の2倍以上のことを積め込まれるのですから,子供が学校嫌いになるのも当然です。新学習指導要領は,国立教育研究所の幹部の方でさえ,3割の子供が分かればいい方だと批判し,全国56の自治体から白紙撤回を求める意見書も上がっています。子供たちにとって行きたくなる学校となるためには,まず新学習指導要領の撤回こそ必要と考えます。教育長の見解を求めます。 子供の心に寄り添い,どの子にも行き届く教育を実現するためには,教育条件の整備が欠かせません。ところが本市の教員配置を見ますと,同和地区の学校には複数担任制などを取って6クラスに14人と京都府の配置基準を6人も上回る配置をするその一方で,基準以下の先生の足りない小,中学校が66校,小学校では全体の4分の1も放置されているのが実態です。上京区でも乾隆,京極,正親,待賢の各小学校は配置基準以下で,お母さんたちから不安と疑問が出されています。これでは子供と喜びや悲しみを分かち合い,心の痛みを受け止める教育の前提条件を教育委員会自らが掘り崩しているようなものではありませんか。同和校への必要以上に偏った教員配置を改めれば,すべての学校で教員配置基準を満たすことはできるのです。直ちに改善すべきです。教育長よりお答えください。 以上で私の第一質問を終わります。(拍手) ○議長(川中増次郎君) 田邊市長。 ◎市長(田邊朋之君) 河上議員の御質問にお答えいたします。 まず国民健康保険料の値下げでございますけれども,今日国民健康保険制度は国民皆保険制度の下で,京都市民39万人の健康と福祉を守る極めて重要な事業であると認識いたしております。平成5年度では保険料負担を軽減するために,3年連続して保険料を据え置くなど最大限の努力をいたしてまいりました。依然として本市の国保状況は,高齢者,低所得者が多いために財政基盤は脆弱でございまして,引き続き国に対しても抜本的な改革を要望いたしますとともに,健全化に向けて最大限の努力をしたいと思っております。 議員の質問にございましたし,また今も金が余っているやないかという声が掛かってまいりましたけれども,3年度の累積黒字は確かに45億円ございました。しかしながら4年度の保険料を引き上げないための財源なり,あるいは国庫負担の超過負担交付金の返還財源などを引きますと,5年度の当初予算への繰越金は32億円となるわけです。5年度当初予算への繰越しは確かに32億円でございますが,また5年度の保険料を維持するため12億円が要りますので,残る金額は20億円となるわけでございますけれども,これは先ほど来御質問にありましたように,葬祭費あるいは老人保健の拠出金,若人給付,こういう歳出増がございますので,御指摘のように45億円の平成3年度の累積黒字をこれに充てることはできません。 西陣織の国外生産の問題でございますが,産地としての西陣の基盤を揺るがしかねないものであり,基本的には好ましいことではないと考えておるわけでございます。しかしながら行政として,この国外生産に対して規制をすることはできません。国外生産の実態を把握することは極めて困難でありますが,業界とともに,その対応策を今後研究していきたいと考えておるところでございます。 乳幼児医療の助成制度につきましては,子供が健やかに生まれ育つための環境づくりの一環として実施いたすものでございます。対象の児童は2歳未満で,入院,外来ともに助成することといたしまして,所得制限は行いません。なお子供は家庭と社会が協力して育てていかなければならないという観点から,月に200円の一部負担をお願いしたいと考えております。今後とも21世紀を担う子供の健全な育成を図るための総合的な施策を推進し,健康都市京都の実現を目指してまいります。以上です。 ○議長(川中増次郎君) 薦田助役。 ◎助役(薦田守弘君) まず中小企業の退職金共済制度に関する補助についてでありますが,政令指定都市など大都市におきましては,その対象になります中小企業数が大変多うございます。本市においても,本制度の対象になる従業者数が50万人を超えると推定され,効果的な補助を行うことは財政的にも極めて困難であり,したがって各政令市でも実施されておらないわけでございます。この制度の活用自体については,関係行政機関とともに事業者へ周知徹底に努めたいと思っております。 次に第2の空き缶再資源化施設の建設についてでありますが,ごみの減量化あるいは再資源化を促進するための受皿として,リサイクルセンターなどの整備を早急に検討することについては既に提言を受けておりまして,現在検討中であります。平成5年度におきましては,施設の建設場所,規模,運営主体など計画の具体化について調査を行ってまいりたいと考えております。以上であります。 ○議長(川中増次郎君) 中谷民生局長。 ◎民生局長(中谷佑一君) まず国民健康保険の被保険者証の更新についてでございますが,国民健康保険事業の運営は,基本的には国庫支出金と保険料により賄わねばならないものであります。その基盤ともいうべき保険料を特別な理由もなく長期間にわたり納付しない者を放置することは他の被保険者との公平を欠くことにもなり,国民健康保険制度の根幹を危うくするものであります。したがいまして滞納者に対し滞納に至った事情をお聞きし,納付相談,納付指導を行ったうえで,被保険者証の更新を行っておりますが,支払能力があるにもかかわらず納付相談に一向に応じようとしない者,また納付相談,納付指導において約束したことを履行しようとしないなどの場合には,資格証明証等を交付することもやむを得ないものと考えております。 次に夏期・歳末特別生活資金貸付制度につきましては,お盆や正月などの一時的な生活資金として市民の皆様に御利用いただいているものでございます。本制度の通年化につきましては,制度の趣旨からいたしましても,また本市の大変厳しい財政事情の下では困難な状況にあります。今後とも市民の生活や暮らしの状況を考慮しつつ,きめ細かく対応するとともに,市民の暮らしに役立つ貸付制度としてその運用に努めてまいります。 次に授産施設や共同作業所における授産製品の利用につきましては,本市の主催する施設の開所式や各種行事などの記念品として購入し活用しているところでございます。今後におきましても,賃金の安定化と障害者福祉に対する市民の理解を得るため積極的に活用してまいります。しかしながら一方では,作業効率が高くないことや市民に対するPR不足等から授産製品が十分活用されていないことも事実であります。そのため平成5年度において授産製品の改良,需要拡大などの機能を持つ授産振興センターの設置について具体的に取り組んでまいります。 次に特別養護老人ホームの整備につきましては,従来から積極的に取り組んでまいったところですが,なお多くの入所待機者がおられることや,今後の人口の急速な高齢化に伴い,介護を要する高齢者が増加することが見込まれていることから様々な手法を採り入れてその促進に努めてまいりたいと考えております。しかしながらその建設には大規模な用地が必要であるため,市内中心部においては確保が困難な状況にあり,市内全域を対象として整備を図ってまいりたいと考えております。 またデイサービスセンターにつきましても,在宅における介護を必要とする高齢者の急速な増加に対応できるよう,全市的な観点から積極的に整備に努めてまいります。なおデイサービスセンターの運営につきましては,事業の永続性と確実性及び利用者やそこで働く職員の処遇の安定性といった観点からも,国基準に沿った施設の運営に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 桝本教育長。 ◎教育長(桝本頼兼君) 不登校やいじめに対する相談についてのお尋ねでございますが,本市では,永松記念センターにおきまして他の指定都市では例のない夜間9時までのカウンセラーの常駐により,あらゆる教育相談に応じる体制を確立いたしております。更に今年度新たに不登校問題専任のカウンセラーを配置し,家庭訪問を含めた教育相談活動の充実を図ってまいっております。またPTAとの連携による親と子のこころの電話の開設やボランティア団体によるいのちの電話の相談活動の助成を行っております。もとより不登校やいじめの問題は,学校との連携の下でのきめ細かい相談指導体制の確立が何よりも必要であり,今後とも強い使命感を持って取り組む教員の養成と的確に対応できる相談機能の充実に努めてまいる所存でございます。 次に学校嫌いについてでございますが,その主たる原因は,生活習慣の未定着が過半数を占めているほか,情緒不安定,交友関係等多岐にわたっており,そのことが更に学力不振の状況を生み出しているのも事実でございます。こうした状況を踏まえ,各学校における日常の教育活動に点検を加えるとともに,生活規律体験事業山のおじさんの実施や適応指導教室の開設など,学校不適応対策総合推進事業に全力を傾注いたしております。なお平成4年度から順次本格実施されております新しい学習指導要領が学校嫌いを増加させているとは考えておりません。 教員の配置についてでございますが,義務教育である小,中学校は,国から都道府県に配当された教員総数を都道府県が市町村に配当することとなっております。その際の基準は,個々の学校の教員定数を定めたものではございません。教育の成果は,学校,家庭,地域の教育力の総和によるものであり,本市では学校規模や生徒指導上の困難さ,個々の学校の教育課題など各校の教育条件を見極め,府から配当された定数総枠の中で本市教育の水準の向上を目指して全市的観点に立った定数配置を行っております。今後とも本市教育の充実のため,教員定数の改善を国及び府に強く要望してまいりたいと考えております。以上でございます。 ○議長(川中増次郎君) 河上君。 〔河上洋子議員登壇(拍手)〕 ◆(河上洋子君) ただ今御答弁いただきましたが,いずれも決して納得できるような答弁ではございませんでした。教育委員会の御答弁につきましては,引き続き予算委員会の中でも質問してまいりたいと思います。 また私は,不況のときこそ福祉や暮らしの充実のために努力するよう求めたものでありますが,市長はじめ関係理事者からの御答弁は,いずれも市民の暮らしを顧みない冷たいものです。先ほど市長は,わざわざ細かく計算していただきましたけれども,国民健康保険料の黒字の残額は,市長の計算の結果でも19億円ございます。1世帯1万円の引下げは17億円あればできるわけですから,やろうと思えばできるのです。市長自らがそのお答えを出されたのですから,断固値下げすべきであると再度申し上げておきます。 また乳幼児医療助成制度の200円の自己負担については,あと京都市が1000万円の持出しをするだけで完全に無料化ができるものです。これだけのお金が出せないというのでしょうか。こういうお金を削る一方で,同和行政や大企業のための大型プロジェクトについては,人もお金も土地もつぎ込む,もうこういう市政は御免です。 田邊市長,地方自治体は国の下請機関でも,また大企業に,あるいは同和団体に奉仕するための機関でもございません。かつて革新民主府市政時代の京都は,市民の声にこたえて国基準以上の仕事を次々と進めました。全国に先駆けた無担保無保証人融資制度,これは今も大変喜ばれておりますし,老人医療費の無料化,高校3原則などを実施して,福祉の京都,あるいは地方自治の灯台と全国から賞賛され,それらの施策を全国に広げた経験があります。 今市民は,福祉や暮らしの切捨てではなく,安心して暮らせる福祉の先進都市京都を求めています。中小企業が大切にされるまち京都への転換を望んでいます。私ども日本共産党は,京都に住み続けたい,京都で働き続けたいと願う市民の皆さんと力を合わせて民主市政実現のために全力を挙げることを申し述べまして,私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~議長(川中増次郎君) 本日の審議はこの程度にとどめ,延会いたしたいと思いますが,御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○議長(川中増次郎君) 御異議なしと認めます。よって本日は,これをもって延会いたします。 〔午後4時35分延会〕~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~            議長    川中増次郎            副議長   可児達志            署名議員  富田征義            同     中村勝己...